後志西部の旅 ― 岩内温泉 ―

とまりん館から南へ向かい、岩内の市街地から高台へ。

夕方ごろ、ホテルに到着する。

円山という山らしい。

最も高い所にスキー場やキャンプ場があり、その少し下方は道路が環状になっていて、温泉ホテルが点在している。

 

今回泊まったのはグリーンパークいわないホテル。

2階建てで客室は2階のみ。1階はフロント、食堂、浴場になっている。

小ぢんまりしたホテルであるが、下の階に客室がないので子供が少々部屋で暴れても大丈夫だ。

 

部屋から日本海を望む。

f:id:kamonji224:20170614215240j:plain

f:id:kamonji224:20170614215414j:plain

 

 岩内の街並、港、対岸の山脈、そして原子力発電所が3基並んでいる。

 

ちなみに夜景も撮ろうとはしてみたが、残念な出来にしかならなかったので割愛。

規模は小さめだが、眺めはとても良いと思う。

 

夕食は地元のアワビなど、とても美味しくいただいた。

その後は温泉へ。温度は熱めで、露天風呂からの眺めは部屋と同じ方向であった。

塩分がかなり濃いので肌の弱い人は少し注意が必要かもしれない。

かなり温まることは間違いない。

 

 

 

 

後志西部の旅 ― とまりん館 ―

2017年6月10日、11日。1泊で温泉ホテルに泊まる。

札幌からあまり遠くない温泉ということで、調べた結果岩内町に決定。

 

午前9時に出発。

国道5号線を西に向かう。

雨の中、小樽市余市町、仁木町(昼食)、共和町と通過して泊村に到着。

 

向かったのは泊村にある原子力発電所の紹介施設。

その名も「とまりん館」

共和町とのほぼ境目にある建物だ。

 

f:id:kamonji224:20170612215346j:plain

なかなか立派な建物。温水プールも併設されているのだ。

 

手前にあるのは風力発電に使われる風車の羽根である。

f:id:kamonji224:20170612215459j:plain

なかなかお目にかかる機会はないだろう。

正直時間つぶし程度で寄っただけだが、のっけからいい意味で期待を裏切る展示である。

 

f:id:kamonji224:20170612215704j:plain

玄関に入るとおもちゃの釣り堀が。娘は完全に虜となった。

嫁と交代で展示物を見学。

 

1階は子供向け科学館と泊村の風景(見る角度によって内容が変わる)、そして原子力発電の仕組みを展示していた。

単純にいうと原子核中性子線を当てる。そうすると原子核が分裂するが、この時に巨大なエネルギー(熱)が発生する。その熱によって蒸気を高温にする。そしてタービン(ボイラーのようなもの)で発電させると。

まあわかったようなわからないような話だが、最近読んでいるアシモフの科学エッセイシリーズになんとなくそれらしいことが書いてあったので、少しは理解できたかと思う。

確かに、地球環境にダメージの少ない仕組みであるとは思う。

しかし、放射線を制御できないのであれば、やはり人間の手に余る代物とも思う。

複雑な気持ちになりながら1階の展示を見終わり、2階へ進む。

 

後日知ったことだが、核分裂ではない核融合による原子力発電というのも研究されているらしい。これは放射線が発生しないのだ!

まだまだ実用化には遠いようだが、何とか科学の力で地球に迷惑をかけない仕組みを開発してほしいものだ。

 

2階は自然と歴史の展示。

この近辺の動植物や古代の遺跡が展示されている。

 

北海道のエネルギーの歴史も展示されている。

f:id:kamonji224:20170612221158j:plain

江戸時代にはすでにこの辺りで石炭の採掘が始まっていた。

馬車やトロッコとはいえ鉄道も通っていたのである。

 

f:id:kamonji224:20170612221403j:plain

さらに明治時代後期には水力発電も始まった。

 

 

f:id:kamonji224:20170612221504j:plain

そして原子力発電所の完成。

 

今では小さな漁業の町にしか見えないが、この辺りは北海道のエネルギー産業をリードしてきた地域だったのだ。

 

最上階は展望台。

f:id:kamonji224:20170612221912j:plain

羊蹄山。頂上は雲に隠れていた。

 

f:id:kamonji224:20170612221953j:plain

ニセコ連峰から雷電海岸方面。

 

この後、神恵内村方面にドライブして、お土産を買った。

来た道を戻って岩内町のホテルへ向かう。

 

アシモフの科学エッセイ ― 空想自然科学入門 ―

最近、中公新書の物語〇〇の歴史シリーズと並行して読んでいるのが、SF作家アイザック・アシモフの化学エッセイシリーズ。

 

ファウンデーションシリーズやロボット三原則で有名なSF作家であるが、同時に大学教授であり、ノンフィクションも膨大な数の作品を著している。

 

日本で手に入るアシモフのノンフィクションは数が限られている。

文庫ではハヤカワ文庫NFのこのシリーズの他には数点ほどであり、単行本も含めてほとんど古本でしか手に入らないだろう。

 

そんなシリーズの第一作目がこの空想自然科学入門である。

 

空想自然科学入門 (ハヤカワ文庫 NF 21 アシモフの科学エッセイ 1)

空想自然科学入門 (ハヤカワ文庫 NF 21 アシモフの科学エッセイ 1)

 

 

日本で発行されたのが1978年。アメリカではさらにその前なので当然古い情報ではあるが、かえって科学初心者にはわかりやすいであろう。

 

冒頭で科学を果樹園に例えている。

1800年以降は科学という名の果樹園はあまりにも草木が生い茂り、道がなくなり、人々は外から果樹園を眺めるか、果樹園の中のほんの狭い場所にとじこるようになったのだ。

 

しかし、アシモフは果樹園の中を走り回りたかった。

そして人々にも同じように走り回ってほしいと願った。

そうしてできたのがこのエッセイである。

この本を読んだ後、高い所からほんの少し果樹園の全体像を眺めることができるようになるだろう。

 

聞きなれない用語や数字が多く出てくるものの、アシモフのユーモアあふれる文章に虜になる人も多いだろう。たとえ、理科が全く苦手だった自分のような文系人間でも。

 

北見市 ― 北海道最大の市 ―

今日は北見市について調べてみた。

 wikipedia:北見市

 

人口は12万人弱。面積は1427㎢で、北海道で最も広く、日本国内でも4番目の面積の地方公共団体である。

 

2006年に北見市留辺蘂町端野町常呂町が合併し現北見市が誕生。

東西に長い形となった。

 

道の駅は旧留辺蘂町域にある。

 温根湯(おんねゆ)温泉という100年を超す歴史の温泉街に位置する。

北見市で最も西側に位置し、石北峠に最も近い道の駅となっている。

地元産の木の玩具が多く販売されている。

 

f:id:kamonji224:20170607214434j:plain

留辺蘂町カントリーサイン。町内のキタキツネ牧場と温泉をデザインした。

しかし、いま最も有名なのは道の駅に併設されている「山の水族館」である。

かつては小さな閉鎖寸前の地味な水族館であったが、日本で唯一の水族館プロデューサーの手によって大きく生まれ変わる。

こじんまりしているのは変わらないが、地域に生息する淡水魚をメインに展示方法を大きく見直して道内でも有数の観光スポットに変身した。

滝つぼの下から見上げたり、氷の下となった水槽を横から見たり、日本最大の淡水魚であるイトウがごろごろいたりと、子どもより大人が楽しめるような水族館である。

 

留辺蘂では石北峠-網走を東西に結ぶ国道39号と遠軽町ー十勝を南北に結ぶ国道242号が交差し、さらに国道242号と並行してJR石北本線の駅もある。

国道242号は旧留辺蘂町のみを通過するが、国道39号と石北本線は東へ進み、旧北見市域に入る。

北見市はオホーツク地方の中心都市である。振興局は網走市にあるが、経済規模では北見市の方が大きい。

とはいえ、道内の他の主要都市に比べるとサービス業の割合は低く一次産業の比率が高い。

特に玉ねぎは日本一の生産量を誇る。

f:id:kamonji224:20170607220038j:plain

スポーツの合宿事業にも力を入れており、特にラグビーが多いようだ。

かつてはハッカの生産も多かった。

自分の祖父も北見ではないが、オホーツク地方でハッカを作っていたそうで、稲作の難しい道東では一時ブームだったようである。

昭和初期には世界的産地として有名であったらしい。

 

その名残からかハッカ記念館なんかも市の中心部にある。

郊外にははっか公園とはっか御殿なんてものもあり、日本海側のニシン漁のような主要産業だったのであろう。

 

さらに東へ行くと次は旧端野町である。

内陸部の畑作地帯であり、ゴルフ場や温泉、キャンプ場など都会に近い便利な田舎である。国道39号石北本線はここで北見市から離れ、網走方面へ向かう。

 

最後は旧常呂町である。

オホーツク海サロマ湖に面した漁業が盛んな町である。

日本で3番目に大きい湖のサロマ湖とその湖畔に面したワッカ原生花園が有名な観光スポットである。

近くにはところ遺跡の森という竪穴住居の遺跡がある。

オホーツク文化という今なお謎の多い文明の研究に重要な遺跡であり、かつて作家の司馬遼太郎も訪れたことがある。

 

また、カーリングが盛んであり冬季オリンピックのメンバーには常呂町出身者が多い。

 

サロマ湖に沿った国道238号が主要道路である。

かつては国鉄湧網線も通っていたが1987年に廃線となった。

空から日本を見てみよう ― 猪苗代湖から裏磐梯 ―

空から日本を見てみよう。今回は福島県を旅する。

 

まずは郡山市

wikipedia:郡山市

 

 人口は33万人超。東北では仙台市いわき市に次いで人口の多い自治体である。

スポーツ用品のゼビオ、ラーメンチェーンを展開する幸楽苑の発祥の地だ。

福島県の中部に位置し、東西南北に主要な国道や鉄道が走る、交通の要衝として発展してきた。

東京から青森までを縦貫する国道4号線とJR東北本線に、日本海側の新潟から太平洋沿いの福島県いわき市までを突き抜ける国道49号線とJR磐越西線磐越東線

さらに茨城県水戸市との間をつなぐJR水郡線

などなど東北日本の大動脈もあれば、のどかなローカル線もあったりと様々な交通の起点となっている。

 

郡山市出身の著名人は数多いが、個人的にもっとも思い入れのあるのは作家の古川日出男である。

ファンタジー、SF、ミステリ、純文学とあらゆるジャンルをまたにかけた作風が特徴だ。村上春樹や南米のノーベル賞作家、ガブリエル・ガルシア・マルケスの影響を受けているようである。

私が読んだ本をいくつか。

アラビアの夜の種族(角川文庫 上中下)

 

アラビアの夜の種族〈1〉 (角川文庫)

アラビアの夜の種族〈1〉 (角川文庫)

 

 

エジプトに侵攻してきたフランスのナポレオン軍。

迎え撃つイスラム軍の武器は怪しげな物語。

アラビアンナイトをモチーフにした幻想的な災厄の書は彼我の運命を変えるのか。

日本推理作家協会賞と日本SF対象を同時受賞。

 

ベルカ、吠えないのか(文春文庫)

 

ベルカ、吠えないのか? (文春文庫)

ベルカ、吠えないのか? (文春文庫)

 

 

20世紀を犬たちの視点から描写する。

戦争の世紀を駆け抜けた犬たち。

感情の入り込まない硬質な文体のドキュメントタッチで綴られた直木賞候補作。

 

LOVE(新潮文庫

 

LOVE (新潮文庫)

LOVE (新潮文庫)

 

 

世界を舞台とした「ベルカ、吠えないのか」に対して、こちらは東京の中のお話。

地べたを歩く野良猫たちと猫を数える人たちとその他色んな人の物語。

俯瞰的な「ベルカ~」が直木賞候補で仰視的な「LOVE」は純文学の三島賞

もちろん視点だけが問題なわけではないが、内容的にも技術的にも文芸と文学を自由に行き来するのはこの人の得意とするところ。

昔、NHK-BSの週刊ブックレビューに出演していた時にジャンル分けって不愉快ですよねと本人が言っていたのを思い出す。

この本は「巨大な短編」らしい。

 

さて、番組は猪苗代湖磐梯山を一望できる布引高原からスタート。

猪苗代湖方面へ向かう。

 

続いて猪苗代町

wikipedia:猪苗代町

 

人口は1万5千人弱。

町名と同じ名の猪苗代湖は町の南部に接している。

残り三方は磐梯山をはじめとする山々に囲まれた、自然豊かな地である。

 

猪苗代湖の空中写真

f:id:kamonji224:20170604213258j:plain

日本第4位の面積を誇り、水質も日本トップクラスである。

 

f:id:kamonji224:20170605225457j:plain

猪苗代町出身、千円札でおなじみの野口英世の像と磐梯山

 

幼いころにやけどで左手に重い障害を負ったものの、勉学に勤しみ世界的細菌学者となった。私生活は放蕩三昧だったようであるが、寒村の出からアメリカへ渡って著名な研究者となり、さらに南米やアフリカで人々を救うべく病と戦うも最後には自分も研究中のウイルスに倒れる。

ある意味天才肌で、日本人離れした人物だったのだろう。

 

そんな彼が幼いころに毎日見ていたであろう磐梯山

標高は約1800m。こちらも猪苗代湖と共に福島のシンボルとして有名である。

県庁所在地の福島市は県内のかなり北部寄りであり、郡山市を主とした県中南部が福島の中心地帯であるのかもしれない。

というか、戊辰戦争で負けたので行政の中心から外されたということだろうか。

 

最後は北塩原村

wikipedia:北塩原村

 

人口は2700人ほど

裏磐梯」と呼ばれる高原地帯で、桧原湖をはじめとする300以上の湖沼群が有名である。

農業、観光が主産業。