炭層ガス ― 夕張の新エネルギー ―

2017年1月18日の日本経済新聞北海道面にこんな記事が載った。

 

「炭層ガス 夕張復興の夢」

 

かつて炭鉱で栄えた、夕張市

当時の繁栄は今は見る影もないが、若き市長を中心に巨額の債務を返済しながら新しい夕張の歴史を作ろうともがいている。

 

そんな夕張の産炭地に眠るガスの活用を探る動きがある。

 

炭鉱の閉鎖のきっかけともなったガスの爆発事故。

北炭夕張新炭鉱ガス突出事故や三菱南大夕張炭鉱の爆発事故で多数の犠牲者をだし、炭鉱運営会社は撤退を余儀なくされた。

 

 

そんな大爆発を引き起こすほどのガスであるが、炭層メタンガスと呼ばれ外国ではすでに商業化されている天然ガスの一種である。

 

地表からのボーリングで生産され、燃焼時に二酸化炭素や汚染物質の排出が少ないそうだ。

 

総量がどれだけあるかの試掘はすでに終わり、結果をもとに来年度は生産効率の調査を行う予定らしい。

調査では夕張市で使用するには1000年分は優にあるほどのガスが眠っているとの結果が出た。

 

かつて炭鉱の保安を研究していた方が夕張市に探査を呼びかけ、折よく舞い込んだニトリふるさと納税によって資金が確保できたそうだ。

 

大規模な開発はせず、地産地消による使用を目指すらしい。

ガスによって住民や農家、企業に安価な電力や熱を供給できる仕組みを検討中とのこと。

 

ある意味において夕張の縮小の原因となったガスが明りをともすことになるのか。

北海道の歴史においてもひとつの転換点となるかもしれない事業である。

 

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