地球絶景紀行。今回訪れたのは西オーストラリアのシャーク湾。
広大なオーストラリアの三分の一の面積を占める。
一方で人口はオーストラリアの人口2500万人のうち、約10%の250万人ほどである。
面積の90%は砂漠地帯であり、人間の住む地域は限定されている。
番組では州都パースから世界遺産のシャーク湾へ向かった。
パースはオーストラリア第4の都市であり、19世紀末にゴールドラッシュで世界中から移民がやってきた都市である。
オーストラリアの主要都市、シドニーやキャンベラよりもインドネシアの首都・ジャカルタの方が距離が近い。
シャーク湾は人間が住むことのできない、荒涼な地域である。
手つかずの自然がそのまま残る。水深2mほどで、水温も20℃ほどの穏やかな海である。
浜辺はシェル・ビーチと呼ばれ貝殻で埋め尽くされている。
この場所は水温と塩分濃度が高いため、貝の捕食者が生息できなかったらしい。
何千年もかけて貝殻は堆積を続け、今では何キロにも渡って貝殻でできたビーチが白く光っている。
シャーク湾は多様な生物が生息しているが、特に珍しいのはこの生き物だろう。
ストロマトライト。藍藻類と呼ばれる細菌と泥などが重なり合ってできた岩石である。
化石は良く発見されるが、成長を続けているものは世界でも数少ない場所にしかいない。
この藍藻類、地球上で初めて陸地に上がった生き物と言われている。約32億年前の出来事だ。
初めて酸素を作った生物でもある。
人の踏み入ることのできない地で永遠に成長し続ける不思議な生き物である。
また、湾内のモンキーマイアという場所ではほぼ毎日ビーチへ遊びにやってくるイルカと触れ合ったり、沖へ出て絶滅危惧種のジュゴンを見ることもできる。
陸上ではカンガルーやエミューなど野生の珍しい動物たちにも出会える/出くわしてしまう。
独立した生態系をもつオーストラリアの中でも、特に貴重な生き物の楽園だった。