地球絶景紀行。今回はルーマニアのドナウデルタを目指す。
首都はブカレスト。人口は2千万人弱である。
地理的には東欧であるが、言語は東欧には珍しいロマンス語系である。
国名は「ローマ人の国」という意味である。
19世紀に独立するが第二次大戦後はソ連の圧力下にあり、共産圏の一因となる。
独裁者であったチャウシェスク体制の打破後、民主化が進み現在ではEUに加盟している。
ドナウデルタはドナウ川によって作られる巨大な三角州である。
ルーマニアとウクライナにまたがる、人の手がほとんど入っていない湿地帯である。
ドナウ川はドイツ南部を源流とし、黒海に注ぎ込む。途中で通るのは10か国にも及ぶ大河である。
多くの魚、鳥類、さらには植物が生息する世界的に見ても特別な場所である。
欧州、アジア、地中海さらにはアフリカからも鳥たちが産卵のために訪れる場所となっている。
ドナウデルタ入口の町トゥルチャからフェリーで数時間かけて黒海に面する港町、スリナまで行くことができる。
団体であれば、トゥルチャから貸切ボートでドナウデルタを探検できるようだ。
スリナはかつて大きな造船所もあり栄えていたが道路を建設することができず、渡し船しか交通インフラが整備できなかったため、現在では小さな町となっている。
しかし、黒海に面しているため、内陸部とはまた違った動植物や風景を眺めることができる。また個人でも参加できるツアーもあるようだ。
トゥルチャとスリナの間にもいくつか町や村があり、漁労で生計を立てている人が多いそうだ。観光や釣りを楽しむ人も多いが、黒海の夕日や朝日を見るためにはスリナが最適のようだ。
ドナウデルタで最も有名な鳥はペリカンである。
一時は人間の駆除でその数を減らしたものの、全ヨーロッパを挙げた保護の結果その数は回復してきた。
ペリカンたちは春に産卵のためにドナウデルタへ飛来し、冬には温かいアフリカへ帰っていくそうだ。
鳥たちを見るには時期を考えて訪れた方が良いだろう。
大きいもので全長170cmにもなるペリカンの集団はちょっと怖いかもしれない。