厚真町から隣のむかわ町へ向かう。
このままずーっと浦河町の市街地まで向かう国道である。
むかわ町は南北に長い町である。
鵡川町と穂別町の合併によってできた町である。
海沿いは旧鵡川町域にあたる。
厚真町との境目付近にはJRの浜田浦駅が設置されている。
なかなかの秘境駅として有名である。
これが駅である。
雨露を辛うじてしのげる程度の建物だ。
周りにも人家はほとんどない。
中には駅ノートが置かれていた。
周りの風景と駅のわびしさが相まって国内の鉄人達にはなかなか知名度が高いようだ。
外国から訪れている人もいた。
ここに到達した達成感で満ち溢れている人もいれば、駅もさることながら星空の美しさに感動したと綴っている人もいた(外国の方だったかな)。
星空観賞ツアーなどを企画できればJR北海道の手助けになるだろうか。
車で訪れる場合は、駅から少しだけ離れた場所に駐車帯があるのでそこに車を停めるとよいだろう。1~2分も歩けば駅に着く。ただし、歩道がないのでかっ飛ばしてる車に要注意だ。
左側の枯れ木の向こうに見えるのが駅である。
こんな原野に囲まれた場所なのだ。星空が美しいのもさもありなんである。
町役場など行政機関が並ぶ辺りに道の駅も建っている。
ここは温泉ホテルが併設されている道の駅だ。
朝7時頃だったので、売店等はまだ準備中であった。
中には入ることができる。
トイレを借りた後、館内のギャラリーを見学した。
何のギャラリーかわかるかな?
ここは2010年にノーベル化学賞を受賞した鈴木章理学博士のギャラリーである。
博士はむかわ町の出身なのだ。
北大を卒業した後も、30年以上北大に勤務されたそうだ。
研究内容の詳細は私のような素人にはちんぷんかんぷんであるが、ウィキペディアによればパラジウムという金属を触媒として炭素同士を効率よくつなげる画期的な合成法を編み出したことで受賞となったそうだ。
また、功績としては学問の面だけではなく、特許を取得しなかったことによって広く使われる技術となったことが挙げられる。
今では広く応用され、抗がん剤やエイズの特効薬・農薬・液晶や有機ELの製造にも使われる技術となった。
受賞当時は北海道初のノーベル賞として、道内では大きく盛り上がったが受賞の内容を理解できている人は少ないのではないだろうか。
むかわ町を訪れることがあれば、ぜひこのギャラリーも訪ねてちょっとだけ勉強してみるのも良いだろう。中には未来のノーベル賞受賞者が現れるかもしれない。