佐々木譲 「ストックホルムの密使」(上下) 新潮文庫
第2次大戦のさなか、ドイツで暮らす不良日本人、森四郎。
日本国籍を失い、賭博師として暮らしている
戦争の混乱を避け、中立地スウェーデンに逃れるも、そこで知り合った日本の外交官から戦争の行く末にかかわる重要機密を日本に知らせるよう頼まれる。
一度は渋るも、結局引き受けることに。相棒となったポーランド人将校と共に、米英ソの網を潜り抜けて祖国を救うことができるのか・・・
「ベルリン飛行指令」「エトロフ発緊急電」に続く第二次大戦シリーズ。
シリーズを通して登場する日本の軍事官僚、山脇の目を通して日本国内から見た戦争と各作品の主人公(在外日本人的な視点)から見た戦争を対比している。
徐々に重苦しくなっていく戦況に比例して文章のタッチも深刻さを増していく。
(特に山脇視点の時)
ハラハラドキドキの冒険小説的要素と戦争ドキュメンタリーの側面を併せ持つシリーズ。
小説としては面白く、ページをめくる手がなかなか止まらなかった。
古い本ですが。
ちなみにストックホルムの位置はここ
スウェーデンの首都です。