クラーク博士を知っているだろうか。
明治時代、札幌農学校(今の北大)の設立時の教育者である。
わずか1年に満たない赴任期間であったが生徒たちに多大な影響を与え、北海道の開拓に大きく寄与した人物だ。
この言葉は聞いたことがあるだろう。
「 少年よ 大志を抱け 」
博士が帰国の際に生徒たちに向けた言葉である。
では、博士が生徒たちと別れた場所はご存じだろうか。
クラーク像で有名な羊が丘公園ではないのだよ。
札幌と太平洋側を結ぶ幹線道路、国道36号線から少し外れたところ、北広島市の端っこに国指定の史跡である「旧島松駅逓」がひっそりとたたずんでいる。
クラーク博士が学生たちと別れ、有名な言葉が発せられたのがここなのだ。
改修された建物。内部の見学は有料だ。
記念碑もきちんとあります。
さて、この駅逓所。中山久蔵という人が経営していたのだが、この人は日本寒冷地稲作の父と呼ばれている、地味ながらなかなかすごい人である。
この書をしたためた元北海道知事・町村金吾の父は札幌農学校の卒業生町村金弥であり、息子は昨年亡くなった町村信孝である。
北海道の農業に多大な影響を及ぼした人物が一堂に会する場所となっているのだ。
そして
建物の裏側にはこんな記念碑も。
明治14年、明治天皇が北海道を巡幸した際の行在所(あんざいしょ)ともなっていたのだ。
行在所とは行宮と同じ意味で WIkipedia:行宮
仮の宮殿だそうだ。
車の絶え間ない幹線道路からわずか数分、静かな住宅地の一角に仮とはいえ宮殿 の跡があります。
立ち寄ってほんのひと時でいいので北海道の開拓時代に思いを馳せてみてはいかがでしょう。