空から日本を見てみよう。今回は福島県を旅する。
まずは郡山市
人口は33万人超。東北では仙台市、いわき市に次いで人口の多い自治体である。
スポーツ用品のゼビオ、ラーメンチェーンを展開する幸楽苑の発祥の地だ。
福島県の中部に位置し、東西南北に主要な国道や鉄道が走る、交通の要衝として発展してきた。
東京から青森までを縦貫する国道4号線とJR東北本線に、日本海側の新潟から太平洋沿いの福島県いわき市までを突き抜ける国道49号線とJR磐越西線・磐越東線。
などなど東北日本の大動脈もあれば、のどかなローカル線もあったりと様々な交通の起点となっている。
郡山市出身の著名人は数多いが、個人的にもっとも思い入れのあるのは作家の古川日出男である。
ファンタジー、SF、ミステリ、純文学とあらゆるジャンルをまたにかけた作風が特徴だ。村上春樹や南米のノーベル賞作家、ガブリエル・ガルシア・マルケスの影響を受けているようである。
私が読んだ本をいくつか。
アラビアの夜の種族(角川文庫 上中下)
エジプトに侵攻してきたフランスのナポレオン軍。
迎え撃つイスラム軍の武器は怪しげな物語。
アラビアンナイトをモチーフにした幻想的な災厄の書は彼我の運命を変えるのか。
日本推理作家協会賞と日本SF対象を同時受賞。
ベルカ、吠えないのか(文春文庫)
20世紀を犬たちの視点から描写する。
戦争の世紀を駆け抜けた犬たち。
感情の入り込まない硬質な文体のドキュメントタッチで綴られた直木賞候補作。
LOVE(新潮文庫)
世界を舞台とした「ベルカ、吠えないのか」に対して、こちらは東京の中のお話。
地べたを歩く野良猫たちと猫を数える人たちとその他色んな人の物語。
俯瞰的な「ベルカ~」が直木賞候補で仰視的な「LOVE」は純文学の三島賞。
もちろん視点だけが問題なわけではないが、内容的にも技術的にも文芸と文学を自由に行き来するのはこの人の得意とするところ。
昔、NHK-BSの週刊ブックレビューに出演していた時にジャンル分けって不愉快ですよねと本人が言っていたのを思い出す。
この本は「巨大な短編」らしい。
さて、番組は猪苗代湖や磐梯山を一望できる布引高原からスタート。
猪苗代湖方面へ向かう。
続いて猪苗代町
人口は1万5千人弱。
町名と同じ名の猪苗代湖は町の南部に接している。
残り三方は磐梯山をはじめとする山々に囲まれた、自然豊かな地である。
猪苗代湖の空中写真
日本第4位の面積を誇り、水質も日本トップクラスである。
幼いころにやけどで左手に重い障害を負ったものの、勉学に勤しみ世界的細菌学者となった。私生活は放蕩三昧だったようであるが、寒村の出からアメリカへ渡って著名な研究者となり、さらに南米やアフリカで人々を救うべく病と戦うも最後には自分も研究中のウイルスに倒れる。
ある意味天才肌で、日本人離れした人物だったのだろう。
そんな彼が幼いころに毎日見ていたであろう磐梯山。
標高は約1800m。こちらも猪苗代湖と共に福島のシンボルとして有名である。
県庁所在地の福島市は県内のかなり北部寄りであり、郡山市を主とした県中南部が福島の中心地帯であるのかもしれない。
というか、戊辰戦争で負けたので行政の中心から外されたということだろうか。
最後は北塩原村
人口は2700人ほど
「裏磐梯」と呼ばれる高原地帯で、桧原湖をはじめとする300以上の湖沼群が有名である。
農業、観光が主産業。