アシモフの科学エッセイ ― 空想自然科学入門 ―

最近、中公新書の物語〇〇の歴史シリーズと並行して読んでいるのが、SF作家アイザック・アシモフの化学エッセイシリーズ。

 

ファウンデーションシリーズやロボット三原則で有名なSF作家であるが、同時に大学教授であり、ノンフィクションも膨大な数の作品を著している。

 

日本で手に入るアシモフのノンフィクションは数が限られている。

文庫ではハヤカワ文庫NFのこのシリーズの他には数点ほどであり、単行本も含めてほとんど古本でしか手に入らないだろう。

 

そんなシリーズの第一作目がこの空想自然科学入門である。

 

空想自然科学入門 (ハヤカワ文庫 NF 21 アシモフの科学エッセイ 1)

空想自然科学入門 (ハヤカワ文庫 NF 21 アシモフの科学エッセイ 1)

 

 

日本で発行されたのが1978年。アメリカではさらにその前なので当然古い情報ではあるが、かえって科学初心者にはわかりやすいであろう。

 

冒頭で科学を果樹園に例えている。

1800年以降は科学という名の果樹園はあまりにも草木が生い茂り、道がなくなり、人々は外から果樹園を眺めるか、果樹園の中のほんの狭い場所にとじこるようになったのだ。

 

しかし、アシモフは果樹園の中を走り回りたかった。

そして人々にも同じように走り回ってほしいと願った。

そうしてできたのがこのエッセイである。

この本を読んだ後、高い所からほんの少し果樹園の全体像を眺めることができるようになるだろう。

 

聞きなれない用語や数字が多く出てくるものの、アシモフのユーモアあふれる文章に虜になる人も多いだろう。たとえ、理科が全く苦手だった自分のような文系人間でも。