中公新書 物語〇〇の歴史シリーズ ― 〇〇は国と限らないのか ―

昨年から読んでいる中公新書の物語〇〇の歴史シリーズ。

国史シリーズともいわれるが、順調に読み進めてきたのでまた記録しておく。

 

物語スイスの歴史(2000) ☆☆☆

 

 

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ローマ帝国フランク王国神聖ローマ帝国ハプスブルク家、ナポレオンなどなど周辺の強力な勢力とつかず離れずを繰り返す。チューリッヒやベルンにジュネーブなど有力都市が独立闊歩し、多言語多文化のまま現在に至る。とはいえ永世中立を謳うだけはあって、外圧と相対するときの一致団結感はこの国の歴史を知ればさもありなんである。

 

物語オーストラリアの歴史(2000) ☆☆☆

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この本ではイギリス帝国の一員となってからの歴史が大半である。そうなると、若い国のためほぼ近代史となるのだが、やはりイギリスとのつながり、そして地理的に近いアジア各国との関係が重要だ。白人主義から、今では世界有数の移民大国となったオーストラリア。大国になる夢は捨て、中堅国のリーダーとしての位置を固めつつある。

 

物語カタルーニャの歴史(2000) ☆☆☆☆☆

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スペインではなく一地方に過ぎないカタルーニャの歴史が描かれる。同じ国の中とはいえ別の国であった時期の方が長い。2017年10月、あわや独立という状況になってしまった。まさかとは思うが予断を許さない状況である。本書は中世において地中海を支配する海洋帝国であったカタルーニャを中心に描く。個性的な王たちが活躍する、当時の欧州でもっとも繁栄した国であった。現在でもスペインでもっとも豊かな地方と言われるが、はたして運命はいかに。

 

物語中東の歴史(2001) ☆☆☆☆☆

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中東・・ある程度イメージはつくもののどこからどこまでが中等かと問われると正確に答えるのは難しい。本書ではアフガニスタンから西はトルコまで。そして北アフリカのエジプト・スーダンリビアチュニジア・モロッコモーリタニアなども含む国々について記される。イスラム王朝の歴史がメインとなるが、十字軍そしてモンゴル軍との戦いが繰り広げられた中世が絶頂の時代か。戦闘の歴史の中でもひときわ輝く風雲児バイバルスの人生はそれだけで一つの作品になるだろう。

 

物語スペインの歴史(2002) ☆☆☆☆

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このタイミングで満を持してスペインの歴史。筆者は文学畑の学者ということもあって通史ではなく、よりすぐった事件についての記述となる。特に、スペイン文学と言えばドンキホーテの作者セルバンテスを避けては通れないということで、彼の人生は特に詳細に描かれている。ドンキホーテより伝記の方が楽しいんじゃないかとも思える。面白いのだが、物語スペインの歴史というタイトルにあっているのか一抹の疑問を抱いて☆は4つにとどめる。