物語〇〇の歴史 ― パートⅡもあるのか ―

今年重心を置いて読み進めてきた中公新書の物語〇〇の歴史シリーズ

数冊読んだのでまた記録しておくことにする。

 

物語ウクライナの歴史 (2002) ☆☆☆☆☆

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肥料がなくても作物が育つと言われるほど豊かな土壌を持ち、世界屈指の穀倉地帯であるウクライナの地。それゆえに古代より東西南北からあらゆる民族がこの地を狙ってやってきた。

中世にはヨーロッパ随一の大国でもあったが、その後はロシアの一部に組み込まれ、近年の独立後もまだまだ混迷が続く状態である。

日本ではあまり馴染みのない国だが、その波乱万丈の歴史を知るには最適の一冊であった。

 

物語イランの歴史 (2002) ☆☆☆

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古代よりアケメネス朝やササン朝などペルシア帝国として広大な版図を持っていた国。しかし、筆者は現代イランの専門家ということであくまでも「イラン」になった近年が中心。通史としては若干物足りないが、ペルシア帝国だけで一冊別に出す方が賢明だろう。日本とも関わりが深い国なので近代のイランを知るには良い。

 

物語スペインの歴史 人物編 (2004) ☆☆☆☆

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物語スペインの歴史でも登場した人物も含めて、6人の偉人の人生からスペイン史を描く。建築家ガウディや画家ゴヤ、そして著者の専門であるセルバンテスなどの物語。一人一人の人生そのものよりは特徴的なエピソードに絞って描かれている。セルバンテスの章に至ってはもはや短編小説に近い。楽しかったがスペインの歴史といえるかどうか。

 

物語バルト三国の歴史 (2004) ☆☆☆☆

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エストニアラトビアリトアニアの三国の歴史を著した一冊。

小さな三国で、ロシアの一地方のような位置にあるが歴史上はドイツやスウェーデンの影響もかなり受けてきた。エストニアラトビアは貿易港として栄えてきたのに対し、リトアニアは隣国のポーランドと関わりが深く、首都も内陸部にあるなど三国それぞれの個性を知ることができる。

ソ連から独立時のエピソードは淡々とした筆致であるものの、このシリーズでも指折りの感動的な場面だと思う。

 

物語イタリアの歴史Ⅱ (2004) ☆☆☆☆

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シリーズ中最高傑作の誉れ高い物語イタリアの歴史のパートⅡにして作者の遺作。別媒体に連載されていたものをまとめたそうだ。

一人にスポットを当てながらもその時代時代の背景もよくわかる。パート1に比べて若干あっさりぎみの文章か。時間が許せばさらに傑作になっていたのではという気もする。