幌加内町 ― 森と湖と蕎麦の里 ―

今日は幌加内町について調べてみた。

wikipedia:幌加内町

人口は約1500人。

北海道の町では最も人口が少なく、人口密度が日本一低い町でもある。

 

国道275号線が町内を南北に縦貫している。

かつては国鉄深名線も通っていたが、JR転換後の1995年に廃線となる。

1979年には100円稼ぐために2,785円の経費が掛かるという大赤字路線であった。

代替交通機関がないということで、廃線を免れてきたものの並行道路の整備が進み、輸送量の減少も止まらないということでついに廃止となった。

 

現在でも沼牛駅、政和駅、添牛内駅などは駅舎が残っている。

幌加内駅、朱鞠内駅なども駅舎は消失したものの、駅名標やモニュメントなどが鉄道の名残をとどめている。

また第三雨竜川橋梁は土木遺産に選定されている。足場の組めない渓谷などに橋を架ける吊足場式仮設工法を道内で初めて採用した。

 

朱鞠内駅からは羽幌町へとつながる名羽線の工事が1962年着工した。

しかし主目的であった羽幌炭鉱の輸送が閉山により需要がなくなったことから未成線となってしまった。

朱鞠内駅より先の蕗の台駅や白樺駅は国道からも遠く、現在では訪れることもかなり困難になっている。

 

幌加内町は南北に長く、多くの市町村と境界を接しているが雨竜川幌加内川の渓谷に沿った盆地であり、周りは完全に山や森に囲まれている。

その地形から冬は積雪も多く気温も低い。

母子里地区では戦後最低気温となる-41.2℃を記録したことがある。

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カントリーサインにもばっちりその数字と記念碑が。

記念碑はクリスタルパークという公園に建てられた。この公園そのものが最低気温記録を記念して作られたそうだ。

 

さて、幌加内町のもう一つの特徴は湖である。

キャンプ場が併設している雨煙内貯水池やダム湖である宇津内湖。

そして、日本最大の湛水面積を持つ朱鞠内湖

戦前に作られたダム湖であり、周囲は森林に囲まれ北欧のような景色を持つ。

国立公園に認定され、キャンプ場もある。特に冬のワカサギ釣りが有名だ。

 

しかし、幌加内町と聞いて多くの人が思い浮かべるのは蕎麦だろう。

その気候を生かし、作付面積・収穫量ともに日本一を誇る。

幌加内高校は農業科のみで、そば打ちは必修科目である。

数年前にNHKで本州の不登校の女子生徒が幌加内高校に転校し、そば打ちに出会い、そば打ち甲子園に出場し、ドイツで店を開いている蕎麦屋からスカウトされるという伝説に残るようなストーリーが放送されていた。

そうそう甘い世界ではないだろうが、なんというかどこで世界と繋がるかわからないものだなと思って見ていた。

 

もちろん道の駅のレストランも蕎麦が売りである。

温泉、深名線資料などもあって細長い幌加内町で一休みするには最適の施設だ。

近くには蕎麦をこよなく愛する幌加内そばの里大使、ブギウギ専務こと上杉周大のそば畑もある。

イベントも時折開催されているので要チェックです。