然別駅に別れを告げ、再び国道5号線へ戻る。
南にまっすぐ進むとやがて国道5号最大の難所稲穂峠に到着する。
しかし、今日はその手前で左に曲がり、初めて通る道へ。
仁木町銀山地区の田園地帯を走りながら、郵便局を右折して脇道へ。
細い坂道を登っていく。
行き止まりにあるのはJR函館本線の銀山駅。
山裾にある小さな駅。晴れていれば眼下に田園風景が広がり、眺めのいい場所だ。
明治38年に開業。赤井川村の鉱山から鉱石を運搬し、この駅から鉄道輸送が行われいたらしい。
南に進むと次の駅は共和町の小沢駅。
カーブの先には気を病むような上り坂が待ち構えているのだろう。
構内踏切の設置された対面式のホーム。
現在も行き違い・交換の需要があるのかは不明だ。
周りには何もない、それが良いという趣旨の声が多かったかな。
個人的な感想を言うなら、「都会の駅にあるものは何もないが、ローカル線の駅舎好きが欲しいものはたくさんある」というところか。
かつては駅周辺に国鉄の官舎が並んでいたようだが、全く面影なし。
さて、掲示物の中心には近隣の商店で乗車券を販売していると大きくアピールしている。
試しに行ってみた。
扉は開いていたが、人はいない。
ただ、来客を知らせるメロディーが店内に響く。
ドキドキしながら待っていると、店主が現れた。
乗車券を購入したい旨をしどろもどろに伝える。
仁木駅までの乗車券が一番少額ですが、それで良いですかと言われる。
なるほど、行先によって金額が違うよなと、当たり前のことに今更感心しながらそれで良いですと頷く。
長距離特急列車でしかお目にかかったことのない「乗車券」
もっと手作りのものを想定していたがそんな訳ないよね。
希望者には駅スタンプでも押せたら楽しいのではないかなと思いつつ、礼を言って辞去する。
再び国道5号線に戻り、稲穂峠を越えて共和町に入る。