目次
1.リストランテ・トレノ
総合博物館を舐めるように見尽くして、ちょうど昼時。
博物館の入口そばにある列車をレストランに改造したリストランテ・トレノで食事。
外観はこんな感じ。
青い客車をレストランにイタリアの国旗が飾ってある。
こちらから店内に入ると右手が厨房、左手は食堂車を模したような客席。
二人掛けのテーブルやL字型のような座席があって、決して広くはない店内なのだがゆったりとした印象を受ける。
メニューを見る。確か、肉料理と魚料理を選ぶようになっていたはず。
俺が頼んだのは鶏肉のカチャトラ。
トマト煮込みの鶏肉と付け合わせのパスタ。ライスかパンを選択し、スープとサラダがついていたような記憶がある。
トマトの酸味や肉の塩味が程よく、店の洋風レトロな雰囲気と共に一人で食事を楽しんだ。食べているときは孤独のグルメの五郎さんの気分である。
あそこまで心の中で呟いてはいないが。
2.小樽北運河と倉庫
食事を終え、運河に沿って小樽駅方向へ向かって歩いていく。
この辺りにも文化財の建物が幾つか残っている。まずは右近倉庫。
建物の上と下で色が違う。
北前船で活躍した店の倉庫だったようだ。
歴史的建造物となっている小樽の倉庫の中では日本らしいデザインの建物に思える。
右近家は福井の豪商で現在の日本興亜損保ジャパンの元となった保険会社の創設にも携わる。
続いて旧広海倉庫。
こちらはややアートチックなデザイン。
元々はこの辺りが海岸線だったということ。現在の運河より東の部分は埋立地である。
この広海家も北前船で栄えた北陸の豪商だった。広海二三郎氏は後に貴族院の議員にもなったという。
最後は旧増田倉庫。
上記の3棟の倉庫は横に並んでおり、いずれも現役で利用されている建物。
そのため内部の見学はできないが、100年以上倉庫として使用されていることに敬意を払いながら眺めてみよう。
場所はこの辺り。
この倉庫3兄弟から少し進むと北運河。
観光客の姿はあまりない。
何に使っているのか小さな船が幾つも停泊している。
対岸には北海製罐の工場。
大正時代に小樽に設立された会社を祖とする。サケマス漁業及び缶詰事業を手始めに小樽の金属加工のルーツの一つとなり、現在も飲料や食品などの缶の製造を行っている。
合併などを経て本社は東京になり日本各地に工場や営業所が置かれているが、小樽の工場や倉庫も健在であり、小樽市の歴史を語るに欠かせない企業である。