目次
1.富内線春日駅跡
市街地にかなり近づいてきたところで、道道983号線を右折。
再び鵡川を渡って、春日の集落へ入っていく。
鵡川との間には上流の頭首工から分岐した川西用水路が走っている。
集落に入るとすぐに駅跡だ。
これは実際に使われていた駅舎。
日高本線にも似たタイプの駅があった。
駅の後ろにはホームの名残も残っている。
駅前の様子。 駅から通じる通りはないが、正面にある商店が健在だ。
2.春日駅と近隣の歴史
1922年、北海道鉱業鉄道金山線沼ノ端~生龞駅開通に伴い開業。
当時は萌別停留場という旅客のみ取扱の駅だった。
1924年社名が北海道鉄道に改称。同年、駅に昇格。
1943年戦時買収で国鉄富内線の駅となる。同時に春日駅に改称。
1953年貨物取扱開始、一般駅となる。
この頃は近隣において砂利の生産が活発で、鉄道輸送が始まる。
しかし、それほど時を置かずにトラック輸送が主となる。
1977年貨物取扱廃止。駅前の商店に簡易委託化。
1960年代の国土地理院地図の航空写真。
既に貨物取扱はほぼなくなっていたのか、駅横のスペースに荷が積まれている様子は見えない。
1986年富内線廃止に伴い、廃駅となった。
3.豊城駅
道道983号線を西へ進んで行く。
むかわ町の市街地から真北にある豊城地区にも富内線の駅があった。
駅跡に目印はなく、車を停めやすいスペースもなかったのではっきり認識もできないまま通過。
現在はこのような風景。
駅跡を示すものは何もなく、住宅地となっている。
1922年北海道鉱業鉄道金山線沼ノ端駅~生龞駅開通に伴い一般駅として開業。
当時の名称は上鵡川駅。
1924年社名を北海道鉄道に改称。
ちなみにこの路線は沼ノ端から上厚真方面を通る内陸の路線であった。
現在の道道983号線・1046号線である。
この駅は金山線と日高線間の最短区間で旅客・貨物の乗り換えも多かった。
木炭、雑穀、砂利の搬出が多かったらしい。
1943年北海道鉄道国有化により路線を富内線、駅名を豊城駅に改称。
同年鵡川駅からの連絡線が接続開業。
豊城駅も乗換駅としての機能を失う。
1956年貨物取扱廃止。
1960年代の国土地理院地図の航空写真。
駅東側はおそらく貨物取扱いスペースだったと思われるが、すでになにも使われていない様子。
西へ進むと南へカーブして鵡川駅に通じている。
1986年富内線全線廃止に伴い廃駅となった。