目次
1.沼ノ端駅
勇払から一本道をひたすら走り、国道234号線まで戻ってきた。
そこから少し西へ進んで、沼ノ端駅に到着。
ここは近代的な橋上駅舎。シックな外壁だが、ガラス張りが大きくて明るい雰囲気。
でかい建物だが、大半は自由通路部分。
隣にひっそりと佇んでいるのはなんと旧駅舎。
公衆電話も設置された、いかにもな駅。
2007年に跨線橋などと共に廃止されたが、駅舎は何かに使われているらしく現在も保存されている。
苫小牧市史より
さらに以前の駅舎
南口は駅前らしいロータリー。
ぽっぽやという駅前食堂らしい名前のラーメン屋もあった。
2面3線のホーム構造。
北口側は駐車場もあるロータリー。
住宅街で、駅前に店などは殆どないようだ。
2.沼ノ端駅と近隣の歴史
沼ノ端という地名の由来は北側にあるウトナイ湖(沼)の傍らにあることから命名されたらしい。道の駅が設置され、ラムサール条約にも登録された生態系豊かな湿地帯だ。
1898年、現在の室蘭本線の前身である北海道炭礦鉄道の一般駅として開業。
1914年植苗駅まで馬車鉄道が開業。木材運搬を主とした。
1922年北海道鉱業鉄道の金山線(後の富内線)が開業。
1926年北海道鉄道札幌線(後の千歳線)が開業。
今昔マップより。1935年の地図。沼ノ端駅より東で三つの路線が分岐している。
駅の南側に小さな市街地ができている様子。北側はその名の通り沼の湿地帯だった。
1943年路線が国有化。富内線沼ノ端駅~豊城駅間休止(実質廃止)。
1964年広島燃料工業の専用線敷設。
1960年代の航空写真。駅北側は貨物のスペースになっている様子。
1969年には千歳線の複線化供用開始。1978年千歳線電化。1980年貨物取扱廃止と状況はめまぐるしく変わっていく。
1960年代の苫小牧港開設以後、公害対策などの観点から住宅街は主に市西部に進められていた。しかし、人口の急激な増加及び東部の工業地域の発展が芳しくなかったことから、沼ノ端駅近郊(特に駅北側)も宅地開発が進む。2000年代には小学校・中学校が分離新設された。
さらに2021年には日高本線の鵡川駅~様似駅間が正式に廃線となり、バス路線が再設定され、当駅への乗り入れも増加。札幌方面の列車とバスの接続も考慮されている。
ちなみに当駅西側から白老駅東側までの区間は28.7kmの直線で、日本国内の鉄道で最も長い直線区間となっている。