目次
1.本丸表門
いよいよ堀を渡って本丸に入る。
本来は二つの門が構えられていた。
まずは現存する表二之門。
屋根を小ぶりにして守備側の死角をなくした高麗門と呼ばれる様式。
江戸期には城郭だけではなく、寺社や市街の出入り口にも使われた。
紋の両側にある袖塀には、鉄砲を撃つための狭間を設えている。
扉や柱は鉄張りで、城内でも屈指の堅固な構造だ。
この奥にあった一之門とあわせて桝形を構成している。
門と背の高い石垣に囲まれたスペースで敵を迎撃する仕組みだ。
戦災で焼失した一之門について。
櫓門の構造で、石垣の上に設置された多門櫓と連結し、侵入した敵を三方向から矢で攻撃できるようになっていた。
多門櫓は明治時代に焼失。
本丸御殿横の細い道を進むと天守が目前に見える。シャチホコもくっきり。
手前で見切れているのは本丸御殿。
2.本丸東門
西側にある天守と反対に東へ向かってみる。
こちら側にも門があった。
表一之門と同様に櫓門と多門櫓で構成された東一之門。
多門櫓は明治時代の地震で大破し破却。
櫓門は空襲で焼失した。
入母屋造、本瓦葺の建築仕様。
表門と同様に桝形を形成。
ここの石垣にある名古屋城最大の石は、加藤清正が積み上げたもの。
石垣の中でも目を引くひときわ大きな石。
この先には東二之門
元々東門の外にあった門をこの場所に移築。
愛知県体育館の建築工事によって一度解体されている。
仕様は高麗門。門を出ると馬出があるが工事中のため僅かなスペースにしか立ち入りできず。
3.御深井丸へ
本丸北西にある御深井丸へ向かう。
天守の裏手にはエレベーターが設置されており、バリアフリー対応。
本丸と御深井丸をつなぐのは不明門。
本丸御殿の大奥に通ずるため、普段は利用されず厳重に閉められていたらしい。
重厚な瓦屋根。
御深井丸から天守を望む。
石垣は反り返った造り。圧力を分散させることで強度を上げ、なおかつ優美である。
角は細長い石の長辺と短辺が互い違いになるように積まれている。
これも強度を上げるための工夫の一つ。
算木積みと呼ばれている。
