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1.2022カタールW杯
今回は欧州シーズン中の開催・事前キャンプほぼなし・灼熱の中東開催という初めての事例が多いワールドカップとなる。
シーズン中とあって、代表に選ばれながらも直前の試合で怪我をして離脱する選手も残念ながら出てしまった。日本の中山・ドイツのヴェルナー・フランスのキンペンベなど主力選手たちも涙をのんでいる。
その代わり、長いシーズンを戦って疲労困憊状態の選手は少ないと思われる。いつものワールドカップよりコンディションが良い選手が多いことに期待だ。
事前キャンプがほぼないため、ただでさえ時間の少ない代表チームが、さらにぶっつけ本番状態で試合に臨むことになる。
日本にとってはキャンプの手ごたえとワールドカップの成績はかなりリンクしていたので、今回はどちらに出るだろうか。
長丁場になればなるほど、監督や選手の力量だけではなくスタッフを含めた各国のサッカー協会の力が問われる。どうしても総合力では欧州勢に分があるが、中東の気候対策も含めて今回は番狂わせが多そうな予感だ。
スタジアムは空調をきかせる予定らしいが、練習場や宿舎はどうだろう。暑いカタールで1か月間心身を整えられるチームが優勝にたどり着くのだ。
2.グループA
数年前のアジアカップでは優勝を飾ったカタールだが今回は厳しいだろう。
大エースのマネが直前で負傷したセネガルは一気に厳しくなった。
経験豊富なファンハールが築いた手堅いオランダ、突出した選手はいないものの組織力で上回るエクアドルが突破だろうか。
3.グループB
ユーロ準優勝以降、今一つ調子の上がらないイングランドだが、流石にこの組み合わせは首位通過してくるだろう。
黄金世代最後の大舞台となるであろうウェールズ、やや小粒ながら攻守にアグレッシブなアメリカ、前回ポルトガル・スペインに善戦したイランと残り一枠の予想が難しい。
実績と実力ならアメリカだろうが、地の利を生かしてイランの突破を予想する。
4.グループC
メッシの最後の大会となる可能性が高いアルゼンチン、7大会連続ベスト16進出のメキシコが順調に突破か。世界屈指のFWレヴァンドフスキを要するポーランドだが、サッカーがシンプルすぎるか。地の利のあるサウジも試合巧者の2か国には歯が立たないだろう。
5.グループD
選手の名前だけ見れば優勝候補筆頭のフランス。ポグバ・カンテと前回優勝の立役者が離脱するもレギュラーがクラブの活躍通りにプレーできるなら問題なし。
しかし、そううまくいかないのがワールドカップ。特に内紛の多いフランスは豪華攻撃陣を抱えるとかえって上手くいかないことが多い。
ユーロで躍進し、ネーションズリーグではフランスに連勝し、エリクセンの復帰したデンマークが首位通過と見る。
初戦でフランスと戦うオーストラリアがセットプレーあたりで一泡吹かせ、久々に一次リーグ通過。前回優勝国は一次リーグ敗退のジンクスは破られずと予想。
いつも大人しいサッカーになってしまうチュニジアは、日本との親善試合で見せたようにアグレッシブに戦えれば勝機が見えてくるだろう。
6.グループE
普通に考えると2強2弱で無風のグループ。
前回まさかの一次リーグ敗退となったドイツが絶対に勝ちに来るのか、引き分けOKで来るのか。試合中にそこの見極めをきっちりできると日本の勝ち点が見えてくる。
スペインはパスワークでは最高水準を保ちながらも得点力には不安を抱える。
かつてレアルで活躍したGKナバスがコスタリカの要。こちらも初戦は勝ち点1で御の字だろう。何とか2強の歯車を崩して、ドイツと日本が突破と予想(願望)。
7.グループF
ロシアで旋風を巻き起こした準優勝クロアチアと三位ベルギーが同居。ラキティッチ・マンジュキッチら長年チームを支えたベテランが離れたクロアチアとアザールなどピークを越えたと思われるベテランも多いベルギー。
モドリッチ・デブルイネと世界最高クラスのMFを要するだけに他のメンバーがどれだけできるか。特にベルギーは監督も在任が長く、戦術はかなり研究されているだろう。
タレントでは劣るがアグレッシブに戦えるであろうカナダとモロッコにも十分チャンスがあり、最も予想の難しいグループ。ベルギーとモロッコが突破と見る。
8.グループG
優勝本命のブラジルが頭一つ抜けている。チッチ監督により、前回の反省も踏まえて個人技頼みだけではなく攻守にわたって組織的に戦うチームになっているだろう。
前回もブラジルと同居したスイスとセルビア。前回はスイスが上回り、ユーロでも好成績を収めた。スイスにはアルバニアルーツの主力も多く何かと因縁のある相手。
注目しているのはチームと共に復活を果たしたアーセナル在籍のジャカ(スイス)だが、旧ユーゴ時代以来久々にセルビアがベスト16に進出と見る。
カメルーンは初戦のスイス相手にどこまでやれるか。残念ながら3連敗の可能性も高いだろう。
9.グループH
最近ピッチ外のお騒がせばかり記事になるCR7。代表で力を見せないと晩節を汚したまま現役を去りかねない。ユーロ2016で優勝した後は今一つパッとしないポルトガルだが、監督は変わらず。ユーロ2020のドイツ戦の惨敗が印象に強く、ブルーノフェルナンデスやベルナルドシウバらの名手も代表では今一つ輝かない。ジョタも怪我してしまい不安要素ばかりが気になってしまう。
ロナウドと同じ時代を戦ってきたスアレス&カバーニが最後になるであろうウルグアイは予選中に監督も変わり、バルベルデなど若手も台頭。前回のベスト16でもポルトガルを降しており、こちらが本命だろう。
アジアの歴史に残るストライカーとなったソンフンミンだが、大けがを負ってしまい、コンディションは厳しそう。万全の状態で見たかったが、こうなるとアフリカ勢の中ではいつも安定しているガーナが上回るのでは。初戦のポルトガル対ガーナがこのグループの命運を決めるだろう。今回はガーナかな。そういえば2010年の準々決勝でスアレスのハンドにギャンのPK失敗と物議を醸したウルグアイとガーナも因縁があるな。
10.優勝は?
トーナメントの組み合わせはいつものように
A1-B2 C1-D2 E1-F2 G1-H2 A2-B1 C2-D1 E2-F1 G2-H1
グループリーグの組み合わせから考えると
決勝はアルゼンチン対イングランドで、メッシが有終の美を飾る優勝と見た。
見どころは準々決勝でブラジルと当たるだろうE組1位の国。
ドイツかスペインか、日本が入って来ると最高だが。
近年準々決勝が鬼門のブラジルだけにドイツはちょっと嫌なのではないか。
フランスがジンクスに勝てず早々に敗退となった場合、右側のヤマはイングランドを除くとダークホースが犇めく。前回のクロアチアに続いてデンマーク・メキシコ・セルビア・スイスあたりが躍進の可能性もあれば、ポルトガルやベルギーが初の決勝に辿り着くかも。あ、日本が2位突破ならこっちのヤマでドイツスペインよりは勝てる見込みのある相手が多いかもしれない。