目次
1.円通院
瑞巌寺に参拝し、次はすぐ隣にある円通院へ向かう。
こちらも伊達家にゆかりのある禅宗の寺院である。
細い道を右に曲がってすぐに山門をくぐる。
石畳の道を進むとすぐ左手に最初の庭園が現れる。
枯山水の庭園。周囲は苔のカーペットが敷き詰められていた。
この庭は松島の景観を表す。白砂が松島湾を、苔が周囲の山々を表している。
所々に置かれた黒い石が海に浮かぶ島々である。
細長い庭は天の庭と地の庭に分けられ、天水橋が二つの庭を繋いでいる。
緑の屋根に囲まれた道を進むと、少し長めの階段が出てくる。
階段を上ると小さなお堂。
ここは伊達光宗の霊廟「三彗殿」。
伊達光宗は伊達政宗の孫にあたる人物。家督を継ぐはずであったが若くして亡くなる。
この建物は国の重要文化財に指定されており、建築技術や美術品が納められている。
美術品の中には伊達政宗の命でヨーロッパを訪問した支倉常長が持ち帰ったとされる薔薇を描いたものもある。
近くで見るとこんな感じ。
内部の様子は円通院公式HPからどうぞ。
お堂の北側は墓地。
ここにも洞窟に建てられた供養塔がならんでいた。
北海道ではなかなか見ることのできない竹林。
ハスの池。花は少しだけ咲いていたかな。
もう開花時期も終わるころ。辛うじて名残を見ることができた。
寺院の池にはやはり蓮の花が似合う。
池の周りも庭園になっている。
見どころはやはり紅葉の時期か。
本堂にあたる大悲亭。
伊達光宗が江戸滞在時に居を構えていた建物を父である藩主忠宗がこの地に解体移築したもの。
萱葺屋根も北海道には少ないので、印象深い。
こういう建物を見るとやはり東北は本州の文化で、北海道とは違うなあと改めて思う。
2.円通院の沿革
円通院は1645年開創。
伊達政宗の孫で、第二代藩主忠宗の次男である光宗が僅か19歳で滞在中の江戸で亡くなり、その死を悼んだ忠宗によって建てられた。
支倉常長が持ち帰った西洋の文化にも影響を受け、特にバラが三彗殿の美術品に描かれたり、本堂横の白華峰西洋の庭に多く植えられる。
少し前まではバラ寺という渾名もあったようだが、今は少なくなりその代わりに苔を多く植えているそうだ。
また、本堂前には小堀遠州が製作した江戸の伊達藩屋敷庭を移設したとされる遠州庭。
三彗殿周囲の杉林は禅林瞑想の庭と名付けられた自然庭園となっている。
瑞巌寺に比べると小ぶりではあるが、できればセットで訪れたい寺院である。