目次
1.瑞巌寺 参道
遊覧船を降りて、そのまま真っ直ぐ山の方に向かう道を登る。
次の目的地は瑞巌寺。
店の並ぶ参道の先には山門がある。
公式HPでは総門となっている。禅寺の表門のことを総門と呼ぶらしい。
薬医門という様式で桑海禅林と書かれた額が掲げられている。
意味は扶桑(日本)の海辺の禅寺ということだそうだ。
門をくぐり、まっすぐ進むと大木の並ぶ綺麗な道。
そして右手にももう一本道がある。
ここにあるのは石壁に刻み込まれた供養塔や五輪塔などの洞窟遺跡群。
確認できるのは江戸時代以降のもの。県外の供養塔も見受けられ、霊場として名をはせていたことがわかる。
瑞巌寺の沿革を記した看板。
一時は廃れていたようだが、伊達政宗が復興し現在に至る。
2.瑞巌寺 境内
参道を進んでいくと次は中門
瑞巌寺の建築はほぼ全てが本瓦葺だが、この中門だけが柿葺である。
隣には天皇、皇族、藩主のみが使用する御成門があり、さらにまっすぐ進むと御成玄関となる。
一般の人はまっすぐ進むと中庭がありそこから本堂へと入っていく。
右手に曲がると庫裡。
庫裡とは禅宗寺院における台所のこと。
通常あまり装飾を施すことはないが、ご覧の通り複雑な組方の梁や唐草彫刻の妻飾りは一見の価値がある。
3.瑞巌寺 本堂
さて、いよいよ本堂だが参拝客が多く、さらに内部は撮影禁止のため残念ながら写真がない。
建物および内部の様子は瑞巌寺公式HPよりご覧ください。
本堂は室中(孔雀の間)・仏間・文王の間・上段の間・上々段の間・鷹の間・松の間・菊の間・墨の間・羅漢の間の10室からなる。
各部屋とも絵画や彫刻で装飾され、天井も造りが異なるそうだ。
障壁画は昭和60年より復元が開始され、伊達政宗の創建した芸術が現在に蘇った。
最初は室中の間。
法要が営まれる本堂の中心的部屋。
仙台藩の初代お抱え絵師である狩野左京の松孔雀図が襖絵に描かれ、この世の浄土を具現化した世界とのこと。
仏間
室中の奥に位置しする。歴代藩主や住職の位牌を祀る部屋。
文王の間
伊達家一族の控えの間。藩主と対面する場であった。
古代中国の周王国の文王と太公望の出会いなどを描いた襖絵を長谷川等胤が手掛けた。
上段の間
他の部屋よりも畳面が一段高い、藩主の座がある部屋。
復元された伊達政宗の甲冑像が安置されている。
上々段の間
天皇、皇族をお迎えする部屋。
上段の間よりもさらに一段高い。
天井の行使も花菱型となっている。
鷹の間
伊達家重心の控えの間。
鷲や鷹など猛禽類が襖に描かれ、伊達武士の勇猛さを表している。
松の間
給仕や接待、茶道を司った茶道衆の控えの間。
襖には鳩や雀など小鳥が描かれている。
菊の間
大名に使える医師、御典医の詰め所。
襖絵には白・黄・淡紅など色とりどりの菊が描かれている。
墨絵の間
住職・僧侶の控えの間ならびに応接室であったと言われている。
本堂内で唯一襖絵が墨絵で描かれている。
羅漢の間
伊達政宗・忠宗に殉死した家臣たちの位牌を祀る部屋。