室蘭と言えばやはり工業都市のイメージが強いだろう。
明治5年に札幌へ続く道の築造が始まり、さらに港も開かれた。
三笠など空知地方から運ばれる石炭を船で本州へ運ぶなど、北海道の海の玄関口としてまず栄えた。
その後日本製鋼、そして現在の新日鉄住金が製鉄所を開き企業城下町として発展していく。さらには現在のJXや函館どつくも港周辺に林立するようになった。
現在は最盛期の繁栄ぶりには遠く及ばないものの、工場夜景は全国屈指である。
室蘭湾に沿って並び立つ工場の風景とは裏腹に半島の太平洋側はまさに秘境である。
北海道には珍しくすれ違うのも難しい道道919号。断崖に沿って走るこの道には地球岬を筆頭に名所が並ぶ。
一方半島の西側には湾の入り口に浮かぶ小さな島がある。
その名も大黒島。かつてこの付近で事故死した外国人を埋葬したところ黒百合が咲くようになったという伝説がある。
今は一般人は立入できず、灯台も廃止されてしまった島だ。
道の駅の裏手の海岸付近、あるいは対岸の展望台から臨むことができるのみとなっている。
その大黒島からほぼ真南に位置する岬がある。
絵鞆岬(えともみさき)
アイヌ民族の遺跡もあるらしい。
この岬を帆船の船首に見立て、舵のモニュメントも建てられている。
そして、ここから大黒島を眺めることもできるのだ。
他にも測量山やトッカリショ、金屏風銀屏風、イタンキ浜など秘境にふさわしい名所は数々あるようだ。
また室蘭水族館は北海道最古の水族館であり、最近では新たな取り組みを始めてひそかな人気スポットとなっているらしい。
そしてクルージングもある。クジラやイルカなどの自然ウオッチングもあれば工場夜景を眺めるクルージングもあるそうだ。
知れば知るほど奥が深い室蘭市である。
観光地としてはまだまだ伸びしろがあるように思えるのだがどうなのだろう。