世界ふれあい街歩き ― 同里 ―

目次

 

1.同里の概要

今日は2008年11月6日放送の世界ふれあい街歩きで紹介された中国の同里について調べてみた。

 

 

長江の河口近く、南側に位置し太湖をはじめとする湖が点在するエリアに位置する。

江蘇省の経済的中心地である蘇州の郊外にあたり、古くからの水郷都市である。

 

街には15もの水路が流れ49の橋が架かっている。

主に明・清代に建てられた白壁の民家が多数残り、同時代に建設された石橋と併せて古めかしい町並が人気の一つだ。

かつての大邸宅が幾つもの区画に割り当てられ、使用人の通路が小さな路地に変わった箇所がいくつもあり、これも町の特徴となっている独特な風景の一つだ。

 

観光客だけでなく映画・ドラマの撮影地としても人気で、スケッチをする画家も数多くみられる。

 

2.退思園

同里のランドマーク、世界遺産にも認定された退思園は清朝の役人が造った邸宅兼庭園。同僚の讒言によって故郷に隠遁することとなった人によるものという。

水面の高い池の周囲に建物が貼りつくように建っていて数ある蘇州の庭園の中でも特に評価が高い。

曲線が美しい回廊をゆったり歩き、建物や池の景色をじっくりと、時には立ち止まって愛でるのがお勧めだそうだ。

 

3.京杭大運河

同里の近くには北京から杭州まで総延長2500kmに及ぶ京杭大運河が通っている。

途中で黄河・長江を横断するこの大運河は戦国時代から部分的に開削されてきたが、隋の文帝・煬帝によって完成する。隋の財政を大きく蝕んだこの工事は民衆の暮らしも圧迫し、唐の反乱を正当化するものとなった。

しかしこの運河によって政治・文化の中心地であった北方と経済的に豊かであった南部が連結し流通の便が飛躍的に改良された。この恩恵を最も被ったのが運河建設を因とするクーデターを引き起こした唐王朝であった。

元の時代には新ルートも開設。対外貿易を規制していた明代には内陸水運の地位が高まり、現在使われているルートが開削された。

同里もこの運河の水運を利用し、穀物などの取引が活発な場所であった。

清代末期には対外貿易が再開されたため再び重要道が下がる。

現在では2千トン級の船が通れるように改良されているが、土砂が堆積しやすい黄河以北などは放棄されている部分も多い。