世界ふれあい街歩き ― ピラン ―

目次

 

1.ピラン

今日は2009年7月2日放送の世界ふれあい街歩きで紹介されたスロベニアのピランについて調べてみた。

 

アドリア海に面する港町。半島の先端にある古い小さな町だ。かつては近くに塩田があり、塩の交易で栄えていた。

7世紀にビザンツ帝国支配下となり、要塞化が進む。その後フランク王国神聖ローマ帝国支配下となる中でスラブ人の定住が進む。

中世はベネチアに支配される。今も赤い屋根の家が多く並んでいるのはその時代の名残らしい。

現在はビーチリゾートだが、町の中は石畳の狭い道が続く歴史情緒あふれる街である。

 

町の中心にあるのはタルティーニ広場。

 

18世紀に活躍したピラン出身のバイオリニストであるタルティーニの銅像が建つ。

代表曲は「悪魔のトリル」

タルティーニの夢の中に出てきた悪魔が演奏した曲が元になっているという。

 

 

高台にある聖ジョージパリッシュ教会

アドリア海と町並みを見下ろす景観が素晴らしい。

 

 

ちょっと珍しい水中活動博物館

潜水服などダイバーの仕事道具が展示されている。

ピランの歴史は港の歴史。ダイバーは無くてはならない仕事だった。

 

2.ポストイナ鍾乳洞

ピランから少し離れて内陸へ。

鍾乳洞の多いスロベニアにあって、最も有名なポストイナ鍾乳洞がある。

石灰石の地形にできる鍾乳洞。この辺り、クラス地方はカルスト地形の語源になった石灰石の多いエリア。

岩肌がむき出しで植物のあまり育たない台地。イタリアとスロベニアの境界になっている。白亜紀以降に堆積した石灰岩が熱く分布。溶食によってできた地形をカルスト地形と呼ぶ。

 

ポストイナ鍾乳洞は200万年間の間にピウカ川の地下水流によって形成された。

最大深度は115m、洞窟の総延長は20kmに及ぶ。

その多くは19世紀に発見された。洞窟内には170種類の生物が生息している。

観光コースは約5km。電気軌道が通っており、鍾乳石や石筍、石柱によって作り出される幻惑的な空間を楽しめる。

1万人収容可能なホール空間では各種イベントも行われている。

 

石灰岩はサンゴや貝などの死骸が堆積してできる。主成分は炭酸カルシウム。

地中にしみ込んだ雨水が土壌の二酸化炭素を吸収して酸性が強くなると、炭酸カルシウムを溶かす性質を持つようになる。

この反応が進み、地下では空洞→水路→水中洞窟ができる。

広がった空間に石灰岩を溶かし込んだ雨水がしみこむと、二酸化炭素が抜けて再び石灰岩になる。このしずくが何万年もかけて鍾乳石や石筍になるのだ。