夏のドライブ ― 文化財保管・活用庫 ―

目次

 

1.ピリカ遺跡

旧石器文化館を出て、建物の裏手にあるピリカ遺跡を見に行く。

国指定遺跡の石碑。

あいにくの雨模様なので遺跡の中には立ち入らず。

高台から眺めるにとどめておく。

 

森の中にある整地された芝の部分が遺跡跡。

目に見える部分だけではなく、さらに奥へと広がっている。

 

発掘調査が行われたのは遺跡と推定されている面積のわずか1%ほどに過ぎない。

まだまだ貴重なものが眠っている可能性があるのだ。

 

遺跡入口横にある建物は発掘風景を再現、特に石器が集中して出土した状況を復元し、石器の製作過程がわかりやすいよう展示している。らしい。この日は開館しておらずパンフレットからの情報しかわからず。

 

2.文化財保管・活用庫

 

最後に駐車場の横にある建物へ。

ここは無人だが入館可能だった。

町民から寄贈された鉱山や農林業関係の文化財を保管する施設になっている。

 

3.ピリカカイギュウ

まず目につくのは大きな骨格模型。

美利河ダム建設のための道路工事の最中にバナナのような形の骨が発見された。

調査によってカイギュウの骨と認定。発掘の結果上半身の骨が見つかり、推定8mと大きな生物であった事がわかった。

約120万年前に生息していたと考えられている。

ジュゴンマナティの仲間がカイギュウと呼ばれる種類。

ピリカカイギュウはベーリング海に生息し、18世紀に絶滅したステラーカイギュウの先祖と考えられる。

カイギュウは象と分類が近く、同じ海の生物のイルカやアザラシとは全く異なる生き物。姿かたちが似ているのは、環境に適応するための収斂進化と考えられている。

クジラ・イルカは現在の生物学ではカバと近縁種に分類されているそうだ。

 

4.マンガン

美利河地区にはマンガンの鉱山もあった。

露天掘りに使用されていたポンプのエンジンが展示されている。

 

焼玉エンジンというらしい。焼玉とは鋳鉄でできた球状の燃焼室。

 

レシプロ排水ポンプとタービンポンプ。

レシプロとはレシプロケーティングの略。機械を往復運動させるという意味。

タービンは回転運動をする原動機のこと。

 

 

マンガン鉱山は明治中期より本格的に採掘開始。

鉄道はまだなかったため国縫からは船で運ばれていた。

第一次世界大戦時が最盛期。昭和中期に廃鉱。美利河地区の発展に大きく影響した。

 

採掘風景の写真。

 

マンガンは鉄を強化する作用があるらしく、弾薬や兵器に使用されていた。

ピリカ産のマンガンは品質が良くイギリス企業の参入もあったらしい。

冬は坑道堀、それ以外は露天掘りだったそうだ。

 

昭和初期の美利河地区の様子。国鉄の他にトロッコもあったらしい。