1960年代後半から1980年代前半におけるSFシーンのトップランナーの一人であったラリイ・ニーヴン。
「リングワールド」シリーズが有名だが、その前史にあたるノウンスペースシリーズの数冊を読んだので記録しておきましょう。
プタヴの世界
22世紀、海底から発見された像はなんと異星人だった。
コンタクトを試みた地球人は逆に心身を乗っ取られてしまう。
異星人の正体は15億年前、宇宙を支配していたスリント人の生き残り。
スリント人の特徴はある能力だったが、地球人の体を乗っ取ったためその能力は使えない。再び宇宙の支配者となるべく動き出したスリント人とそれを防ごうとする地球人の目まぐるしい攻防が楽しい。
地球からの贈り物
支配者と被支配者が極端に分かれるマウント・ルッキンザット星。
この状況を打破しようとする反政府勢力はある日一人の青年と接触する。
彼はなぜかどんな危険な状況でも逃げることができる不思議な力を持っていた。
地球人の植民時からの因縁を揺るがすような贈り物が地球から届けられ・・
プロテクター
小惑星帯で働くブレターは未知の宇宙船を発見、異星人とのファーストコンタクトの栄誉に預かろうと図るが、現れたのは人類の想像とはかけ離れた文化・思想を持ったパク人。果たして彼の目的とは。
短編集。そのうち半数の作品で主役を務めるベーオウルフ・シェイファーとパペッティア人やクジン人などの宇宙人のやり取りが愉快。
どちらかというとユーモラスな雰囲気の作品が多いかも。
太陽系辺境空域
これも短編集。
ベーオウルフ・シェイファーやその義理の息子であり、のちのリングワールドシリーズの主役を務めるルイス・ウーも登場するが、どちらかというとややブラックな作品を集めた感じが強い。