地球絶景紀行 ― 五大連池 ―

目次

 

1.五大連池

今日は2012年11月2日放送の地球絶景紀行で紹介された中国の五大連池について調べてみた。

ハルビンの北方、中国黒竜江省北部に位置する。

18世紀前半に火山の噴火で玄武岩が流出し白河を堰き止める。

それによって5つの池が数珠上に連なる今の景観ができた。

 

 

周囲は五大連池火山公園として整備され、公園内には14か所の火山が並んでいる。

世界でも屈指の規模で火山群が保存されており、噴火後のそのままの姿や溶岩台地などが広がっている。

日本のようにプレートの交差部で何度も噴火を繰り返す複合火山ではなく、単成火山と呼ばれる単発の噴火によってできた火山群。一つ一つの火山は小規模で中国で最も若い火山である。

 

天然の火山博物館とも言われ、ミネラルウォーターも名産。

 

 

2.黒竜江省

次は黒竜江省について。

 

黒竜江とはアムール川のこと。この長大な川が中国とロシアの国境になっている。

西側は中国の内モンゴル自治区

人口の90%は漢民族

古代には高句麗の前身となる夫余国が存在した。唐代には日本との交易でも有名な渤海が建国。元・明代ではこの地域を支配下とし、清朝期には黒竜江流域の広大な地域を統治していたがロシアとの条約で黒竜江以北、ウスリー川以東の領土を失う。

 

 

面積の約70%を丘陵地が占め、農業に適した土壌が多い。

有機物の含有量が多く世界三大黒土地帯の一つ。

黒大豆・大豆・小豆や小麦・トウモロコシなど穀物やテンサイ・タバコの葉などが収穫される中国の食糧基地の一つ。

 

降雪量が多く、冬季の観光資源は国内有数。

美しい自然と唐・金代の遺跡が人気で極東ロシア観光の窓口にもなっている。

 

黒竜江は古来より中国人と流域の民族及び河口対岸に住む樺太アイヌとの交易に使用されてきた。清代になって勢力を東へ増してきたロシアとの間で幾度も紛争があり、結果的に黒竜江が国境となる。

黒竜江の水には窒素などを含む栄養塩・鉄分などが豊富に含まれる。

海に流れ込んだ水は凍り、オホーツク海へ流れ込む流氷となる。海水には栄養塩・氷には鉄分を含みながら南下し、それらを養分として植物プランクトンが大発生。

それを求めて多くの魚が集まり、魚を追って鳥や海獣がやって来る豊かなオホーツクの海ができあがるわけだ。

 

鉄は水に溶けにくい元素だが、湿地帯のような場所では常に一定数の鉄分が水に溶けている。黒竜江上流の湿地帯では鉄分と森林から供給される腐敗物質が結びつき鉄の酸化を防ぎながら海へと流れ続けているのだ。