目次
1.奈井江駅とわが町ご当地入場券
8月下旬のとある平日。
急きょ仕事が休みになり、天気も良いのでドライブに行く。
国道12号線を北上し、奈井江町に到着。
奈井江駅へ向かう。
跨線橋を持つ2面3線のホーム構造だ。
駅舎はやや古め
駅前はかなり広い。
ここは委託の駅員さんがいるが、時間が限定されている。
しかも平日のみなので、わがまちご当地入場券を購入するには注意が必要だ。
駅スタンプは稲と美唄山の不老ノ滝のようだ。
裏面は町の東側にあるにわ山の桜と稲穂。
この町もかつては石炭産業が盛んであったが、三笠市や美唄市のような整備された遺構はほぼなく、鉄道の痕跡もあまりない。
自然に帰ったワイルド状態のものはあるらしいが。
2.奈井江駅と近隣の歴史
街の中心部にある奈井江駅、1889年に現在の小学校のあるところに駅逓が設置され商店や小集落ができ始めた。
その翌年に奈江村設置。さらにその翌年鉄道が開通。一般駅である奈井江駅が開業し、市街地が形成された。
1903年奈江村が砂川村に改称。
1910年日本興業炭鉱(後の山下汽船炭鉱)との間に馬車軌道敷設。
1923年炭鉱が閉山し、馬車軌道撤去。
大正期には木材や農産物の出荷が多かった。石狩川の対岸からも集積していたようだ。
1934年駅舎改築。1940年住友鉱業奈井江砿へ専用線敷設。
1944年砂川町より分村し、奈井江村発足。
1950年町制施行。
1960年代の国土地理院地図の航空写真
駅東側、駅裏にあたる部分は広い構内が確保されている。
かつては石炭などが山のように積まれていたのだろう。
駅南側からは住友鉱業への専用線がカーブを描いて東に向かっている。
現在町の体育館が建てられている辺りが選炭場であったようだ。この廃線跡は現在道路に転用されている。
ストリートビューを見ると駅裏は今も貯炭場に見える。
駅から少し北へ進むと東側へ分岐していく路線が見える。
これが三井鉱山奈井江専用鉄道だ。
東奈井江まで約10kmの距離を結んでいた。
1949年の時点では白山坑駅までの6.4km。1951年に奈井江坑開発でさらに3.6km延長された。
やがてエネルギー革命で石炭の時代は終わり、炭鉱の閉山が相次ぐ。
1968年三井鉱山奈井江専用鉄道廃止。
1970年住友鉱業専用線廃止。
その後は米の搬出が主であったが、1978年貨物取扱廃止。
1984年簡易委託化。
かつては急行列車が停車していたが現在は普通列車のみ。日に500人前後の利用者を持つ。