仁木町の中心部から国道5号線を再び南へ向かう。
徐々に周りの景色は山間になり、余市川に近づいていく。
きのこ王国の看板が見えてきた辺りで、右折。
川を渡って道道755号に。
小さな集落を通り抜けて、やって来たのは然別駅(しかりべつえき)
木造の小さな駅舎が広い敷地にぽつんと建っている。
左側の扉は保線職員さん用の待機場所。
待合室は建物の3分の1ほどのスペースだ。
ホームは互い違い。
列車交換ができることから、この駅で発着するダイヤも組まれている。
古びた車庫が見える。
始発列車はここで待機するのだろうか。
倶知安方面。線路の先には残雪の山が待っている。
実際はあの山を避けて国道5号線からも一旦離れていくのだが・・・
貨物用線路も未だその姿を留めている。
まだ何か使用しているのだろうか。
小さな無人駅だが広い構内、敷地を持つ。
然別駅前を走る道道755号の行きつく先にはかつて鉱山があった。
大江鉱山という名のその鉱山、明治時代以後、幾度かの閉山を経て金・亜鉛・マンガンなどの採掘を行った。
鉱山で働く人々はヤマのそばではなく、然別駅付近に住んでいたらしい。
もちろん貨物の積み出しもこの駅で行われていた。
一方で1972年に貨物廃止。1982年に荷物廃止・無人駅化と周辺が寂しくなったのはわりと早期であることが伺える。
駅周辺が賑わっていた頃を知る人は殆どいないだろうが、人の代わりに駅が往時の語り部となっていた。