仙台家族旅行 ― 定禅寺通 ―

目次

 

1.定禅寺通

2泊3日の仙台旅行も最終版。

青葉城を出た後は定禅寺通を通って駅を目指す。

 

定禅寺通は仙台駅前通の北端から西へ伸びる通り。

現在の姿となったのは第二大戦後に戦災から復興を遂げたとき。

 

そもそもは江戸時代、伊達政宗が現在の宮城県庁付近にあった定禅寺を祈願寺と定めたことに始まる。

祈願寺とは寺社の中でも特に人々が祈願のために集まって参拝する寺のこと。

当時としては公のお墨付きというありがたいお寺だったのだろう。

この定禅寺に至る道路ということで定禅寺通という名がついていた。

 

昭和に入ると市電も通るようになり、仙台を代表する通りの一つとなっていたが、戦災後は中央部に遊歩道付きの緑地帯が設けられる。

さらに1958年にはケヤキが植えられる。1967年には電線地中化工事も行われ、定禅寺通のケヤキ並木と言えば、杜の都仙台の象徴的な画と言えるほど街のシンボルとなった。

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緑に包まれ、少々の雨では濡れることがない。

種々のイベント会場であり、小さな部隊も設置されている。

 

 

2.西公園のC601 

その定禅寺通の西端にあるのが西公園。

 

 

子供が遊具で遊んでいる間に同敷地内に静態保存されているSL、C601号機を鑑賞。

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緑に囲まれ、屋根も付いていい雰囲気で保存されている。 

訪れる子供の数も多そうだ。

 

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綺麗にメンテナンスされている様子。あまりツヤは出さない方針か。 

 

 

f:id:kamonji224:20210117204050j:plain 横から見た姿。オレンジのラインが特徴的。

 

車内の見学も可能。

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写真がブレてしまったが、計器類もばっちり保存されていた。

 

蒸気機関車の動力や運転についての説明版。

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なかなか動く姿を見ることもないであろう子供たちに伝わるかな? 

 

C601号機についての説明版も横に並んでいた。 

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C60形はC59形の改良版となる。

電化が進み、C59は主要路線から転じることとなったが、軸重の大きさがネックでそのままでは他の路線に入ることができなかった。軸重を軽減して転用を可能にしたのがC60形である。

 

C601号の沿革。

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東北本線から山陽本線まで本州各地を走り抜けた。

ヘッドマークには特急「はつかり」のものが保存されている。

 

3.れんが下水洞窟

続いて同じ敷地にあるれんが下水洞窟の入口。

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ここは明治30年代に整備され、今もなお現役で供用されている下水道の入口。 

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説明版にある四ツ谷用水についてはNHKブラタモリでけっこう詳しくやってた。

 

 

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設計を行った中島鋭治氏は東大理学部土木工学科を首席で卒業。

欧州各国で橋梁や衛生、上下水道に関わる工学を修学、調査。

東京の水道整備にあたり留学途中で呼び戻され、30代半ばにして東京の水道工事事業の指揮者として辣腕を振るう。

その後も仙台のみならず、名古屋・鹿児島・高崎・長岡などの水道整備に携わった。

 

そんな由緒正しきれんが造りの下水道。カラーマンホールのデザインにも採用された。 

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マンホールに記されたGOLDEN SLUMBER とは仙台市在住の人気作家、伊坂幸太郎の著書。映画化もされた。上のデザインはその1シーン。

 

映画の主演は個人的に苦手な堺雅人なので原作を貼り付け。 

ゴールデンスランバー (新潮文庫)

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近くにあったガスのマンホール。ビル街と虹が描かれていた。

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4.せんだいメディアテーク 

カラーマンホールを拝見した後は、マンホールカードをゲット。

 

配布場所はメディアテーク

図書館、ギャラリーなどが入居する伊藤豊雄の代表建築。

全面ガラス張りで柱の代わりに独特な形の鉄骨シャフトが床のプレートを貫通し、採光や通風機能も持つ。明るい印象の建物で見学者も多い。

 

そこでマンホールカードを頂く。

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無実の罪を着せられた主人公の逃走ルートの一つにこの下水道が利用された。

 

 

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映画がきっかけで土木遺産に認定されるとは。

日本各地の土木遺産候補も映画ロケ利用などを積極的に推進してみるのも一つかもしれないね。

 

さて、以上で仙台の旅も終わり。

寂しさを覚えつつも帰途についたが、大崎八幡宮秋保温泉、青下第一ダムや大倉ダムなど行きたかったところはまだまだある。山形や福島・岩手南部などを訪れるとしても仙台空港を利用する可能性は高そうなので、必ず再訪することを心に決めてしばしのお別れだ。