新旧廃線跡を往く ― 日高本線汐見駅跡 ―

目次

 

 

1.日高本線汐見駅

某月某日、せっかくの休みだがコロナの影響で人が多そうな場所は避けねばならない。こんな時に行ってもよさそうなのは無人のダムか廃線跡くらい。

というわけで久しぶりに日高方面へ行ってみることにした。

まずは2021年3月を持って正式に廃線となった日高本線鵡川駅以南)を訪れることにする。

 

最初は汐見駅跡。

 

 

国道から離れ、沿岸近くにあった駅。

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簡易な造りの待合室。いや、旧待合室。

まだ現役時代の姿のまま。窓には転換バスについてのお知らせが貼られていた。

 

駅のそばには汐見駅の名を遺す踏切。

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門別方面。ホームは立入禁止。

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砂利敷きで屋根のついたホーム。

周りは茫漠とした草地が広がっている。

 

鵡川方面。こちらも人の気配がない。緑も薄い寂し気な土地。

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2.汐見駅と近隣の歴史

1800年代末頃、汐見浜で船の積出が行われていた。

馬車による運搬で北にある宮戸へ運ばれていた。宮戸は町内で最初に商店街ができた場所である。

 

現在も国道沿いには商店街の名残のような地蔵堂、そしてコンビニ・飲食店などが並んでいる。

 

1893年鉄道が開通し市街地は現在の鵡川駅前に移っていった。

 

汐見駅の開業は1959年、日高本線の旅客のみ取扱い駅として開業。

数年前の気動車導入によって新設された駅の一つである。

 

 

1970年代の国土地理院地図の航空写真。

 

線路周辺は畑地。港近くには現在と同じく漁村集落が広がっている。

漁港はまだ自然のままに近い構造で、防波堤もない。

1985年に南防波堤が建設され、現在の姿になる。

 

漁港から少し西に行くと鵡川の河口。

漁港の整備や以前の砂利採取などが地形に影響を及ぼし、海岸浸食が進んでいる。

かつてあった広大な干潟も失われてしまったが、2000年頃から干潟再生事業が行われ生態系の復活が試みられている。

 

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