目次
1.白石駅
わりと大きな駅でじっくりと見ることにする。
駅の前も大きめの広場がつくられ、駐輪場もかなりの台数が置けるようだ。
約10年前に竣工した橋上駅舎。近年公共施設に多い金属サイディングが施された黒ベースのデザイン。
駅前にはモニュメントも設置。
タイトルは「飛遊」。白石区のルーツである宮城県白石市の方向を指しているそうだ。
駅の内部はレンガ造り。
壁には在りし日の白石駅の写真が掛けられている。
当時は駅のすぐそばに鈴木煉瓦製造場があった。
白石はレンガの産地であったのだ。
写真の下には古レールが展示。レールには白石の沿革が記されていた。
このレール、白石駅が開業した年に製造されたものという古強者だった。
階段を上がって駅待合室と自由通路を進む。
自由通路から線路を望む。2面4線のホーム構造の他に留置・通過用としてホームの無い線路が2線ある。
北口側には現在の白石駅についての説明板。
近隣住民と共に計画し工事が進められたそうだ。
駅舎改築にあたっては、かつての白石のシンボルであるレンガをふんだんに使うことも重要視された。
簡単な路線図と明治・大正期の白石駅の写真。
明治時代は森の中の小さな仮乗降場。大正時代の写真はだいぶ整備され重要な駅となっていたであろうことが窺える。
広場には大きな花壇が。
いくつも造られ花は満開。
外のレンガはつむつむレンガといって、こちらも近隣小学校と共に作られたデザイン。
こんな感じでデザインされたレンガ壁が並んでいる。
駅前には白石駅の歴史が記された説明板。
2.白石駅の沿革
上の説明板にもある通り1882年フラグステーションとして開駅。
その後休止と再開を繰り返し、1903年に一般駅として再開業。
1918年定山渓鉄道線が開通。
1916年の地図では駅周辺に民家は少ない。
駅東側から分岐しているのは上で触れた鈴木煉瓦製造場への路線かと思われる。
1935年の地図では駅西側から定山渓鉄道が分岐している。
戦時中白石駅の厚別側から旧白石区役所辺りにある陸軍の兵器補給廠に専用線が引かれていた。戦後すぐに廃止となったようす。今の南郷小学校辺りにプラットホームがあったらしい。
国土地理院地図の1948年の航空写真。
この頃もレールが残っていたかどうかはわからないが、専用線の痕跡はくっきりとわかる状態。
1968年白石駅での貨物取扱を廃止、函館本線貨物支線の白石~東札幌駅間を開業。
同年駅舎を改築。
1986年函館本線貨物支線を廃止。
1950年代の地図、1960年代の航空写真では軍用線の名残が確認できる。
1975年の地図では東札幌駅の広大なヤードが配線図からうかがえる。
1990年代になると旧千歳線を含めて鉄道の姿がかなり減り、東札幌駅跡の大きな空白と付近のカーブした道が僅かに痕跡を残すのみとなった。
2011年、現駅舎と自由通路が使用開始となり現在に至る。