札幌史跡探訪 ― 鈴木煉瓦製造場 ―

目次

 

 

1. 鈴木煉瓦製造場

白石駅のところでもちょっと触れた鈴木煉瓦製造場。

当初は駅のすぐそばにあったのだが、後年やや南側に移転した。

その工場跡にも説明板が建っているので見に行く。

 

 

 

白石のレンガ製造の歴史と鈴木煉瓦製造場についての説明板。

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褐色で煉瓦製造に適した粘土が白石で発見されたのが1882年。

 

広報さっぽろによると札幌の煉瓦製造の最初の記録が1877年、中央区にあった煉瓦工場が開拓使に1万個以上のレンガを納入した時。

それから当時の白石村・月寒村にレンガ工場が次々とできる。

中でも規模が大きく、品質も高かったのが上記の鈴木煉瓦製造場であった。

1884年創業、鉄道用のレンガを中心に製造を行った。

 

近隣の樹木を燃料に使ったため、自然と工場の周囲は開け住民の増加につながった。

さらに開拓に渡道してきた人々の雇用も確保するなど重要な産業として位置づけられていく。

製造されたレンガは当時の道庁(赤レンガ)、ビール会社、さらには東京駅などにも使用される。

 

1903年再開業した白石駅に敷地を提供し、工場を移転。

 

しかし幌内炭鉱鉄道が野幌に大きな煉瓦工場を建設。

さらにコンクリートやセメントなど新しい建設資材の登場により、徐々に勢いは衰え大正末期に閉業することとなった。

 

2.現在の様子。

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案内板がある辺りは高齢者住宅になっている様子。

 

道路の反対側は大きな製粉工場。

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白石を開拓した農家の子孫が、先祖の開いた土地に工場と社屋を建てたそう。