目次
1.バルト海
今日は2012年9月28日放送の地球絶景紀行で紹介されたエストニアの島々について調べてみた。
最初はバルト海について。
スカンジナビア半島と北東ヨーロッパに囲まれたような形で、外界である北海との連絡はカテガット海峡という隘路のみであり海水の循環が少ない。
一方で流入河川が多く、また集水域が広い。そのため淡水量が多くなり通常の海よりも塩分濃度がかなり低めである。さらに高緯度の為水温も低い。
というわけで冬季になると北部は結氷する。このような場所にあるのがエストニアの島々である。
2.ヒーウマー島
エストニアには2200を超える島がある。一方で同じバルト三国のリトアニアやラトビアには全く島がない。
最初はヒーウマー島。4世紀ころの遺跡が発見されている。クプ灯台は世界で最も古い現役の灯台とも言われている。
夏には様々な音楽フェスティバルが催される。冬は凍った海上にヨーロッパ最長のアイスロードがヒーウマー島と本土のロフクラを結んでいる。その距離は26.5kmに及ぶ。
さらにヒーウマー島からは隣のサーレマー島にもアイスロードが設置される。
3.サーレマー島
サーレマー島は国内で最大の島。
12世紀後半には海賊の島として知られていたが、1277年北方十字軍によって征服された。14世紀後半に建設されたクレサーレ城は今もなお中世の雰囲気を濃く残す城として知られる。オレンジ色の屋根と灰色の石垣が特徴的だ。現在は博物館となっており歴史や自然に関する展示を見学できる。
18世紀にはリゾート地であったこの島はソ連時代国境となったことから一般人の立ち入りが制限され開発が遅れた。現在も島の40%は森林となっている。
島内には隕石の衝突によって形成されたクレーター群がある。
紀元前700年前後に起きたこの衝突で9個のクレーターが作られ、最大のものは現在カーリ湖という湖になった。古代には聖なる湖として古代人が儀式を行った形跡も発見されたそうだ。
北部にあるパンガ断崖はスウェーデンのゴットランド島まで続く石灰岩・泥岩などによる崖の一部。その中で最も高い断崖だ。
隣のムフ島とはコーズウェイと呼ばれる細い土手路で繋がっている。
1227年の北方十字軍では凍った海を渡ったリヴォニア騎士団がムフ島で最後の戦いに勝利し、十字軍を完了させた。
4.キフヌ島
最後はリガ湾内で最大の島、キフヌ島。
赤地に色々な縞が混じる女性のスカート・クルトなど伝統的な民族衣装が有名。
さらには古くから残る歌・踊り・結婚儀式などがあってエストニアの博物館と呼ばれる島だ。もちろん博物館や教会など定番の観光地も整備されている。
他の島も同様だが、ゆったりとした時間を過ごすことに価値を見出す旅人にはうってつけかもしれない。