目次
1.野花南駅
国道452号線と三井芦別鉄道に別れを告げて進路を東へ変える。
国道38号線を進んで次の目的地は野花南駅(のかなんえき)
農村地帯の一角にある小さな市街。
その片隅にひっそりと佇む駅。
片側に偏った三角屋根の駅。窓枠の間の緑のラインは列車を模しているのだろうか。
駅前通り。国道からわずかに距離があり、商店街の名残が感じられる。
国鉄開通記念碑の石碑。野花南町開基百周年の際に修復したようだ。
続いて構内へ。
富良野方面。副本線に停まっている車両があった。
バラストの山の傍に停まっている車両。保線用バラストの運搬だろうか。
芦別方面。駅舎側ホームの端に構内踏切があり、そちら側がもう一つのホームの入口になっている。
互いのホーム・乗降口の距離はかなり離れている千鳥式の構造。
待合室の内部。建物の大部分は事務所スペースらしく、待合室はあまり広くない。
きっぷ売り場窓口があるが、40年近く前に無人化されたそうなので現在は使用していないはずだ。
隣にあった滝里駅の写真が掲示されていた。
滝里駅ホーム。アスファルトで舗装されていて野花南駅より近代的だった。
2.野花南駅と近隣の歴史
1895年浦臼の聖園農場を母体とする武市農場が国有地貸下げを受ける。
翌年北光社に譲渡。
野花南駅は1913年一般駅として開業。
駅前に市街ができ始め、それまで舟運が主であった農産物や木材の集積地が鉄道駅へと変わる。
1937年滝沢木工所(後の滝沢ベニヤ)が創立、後年専用線が敷設される。
1960年代の国土地理院地図の航空写真。
駅裏、駅西に木材がぎっしりと積み上げられている。
駅前通りと国道の交差点を中心に、住宅も多く並んでいる。
この辺りは炭鉱とは縁がなかったため、周囲は今と変わらず農地が広がっている。
1976年に貨物取扱廃止。1982年無人化。
1991年滝里ダムの建設に伴う線路付け替えで滝里駅が廃止。
その後隣駅となった島ノ下駅も2017年信号場となった。
3.滝里駅
滝里駅は1913年奔茂尻駅(ぽんもしりえき)として1913年開業。
木材の搬出を主とする一般駅だった。
1946年滝里駅に改称。
1961年貨物取扱廃止。
1960年代の国土地理院地図の航空写真。
空知川左岸に駅・住宅街があった。
鉄道は空知川左岸を進み続けるが、道路は駅前通りを直進して対岸の国道へ渡る。他の集落へと続く道はこの一本だけであった。
1982年無人化。この頃滝里ダムの計画が完成し、住民と立退き交渉が始まる。
最終的には136戸が水没した。
滝里の集落と駅は全てダム湖に沈む。
空知川右岸の集落もなくなり、オートキャンプ場とダム資料館が建てられた。