目次
1.中ノ沢駅
時間は17時をまわって薄暗くなってきた。
道路沿いは原野に工場が点在する少し寂しい地域。
やがて民家がポツポツと見えてくると中ノ沢の小さな市街。
函館方面から見て信号で左折すると中ノ沢駅がある。
駅前通りは民家が並ぶだけ。奥に貨車駅が見える。
青と薄緑色のツートンカラーの駅。海の近くらしい色合いだ。
ちょっと錆びているがそれもまた味わい。
函館方面。向かいのホームへは構内踏切で横断。
長万部まではほぼ直線が続く。
2.中ノ沢駅と周辺の歴史
中ノ沢駅は1904年に一般駅として開業。
その当時は紋別駅と名乗っていた。
駅のやや北には紋別川があり、その名が由来となったようだ。
道内の各地で見つけられるモンベツという地名。
アイヌ語で静かな川・場所という意味らしい。
1910年中ノ沢駅に改称。
南の和類川と北の紋別川に挟まれているのが駅名の由来のようだ。
数年後、オホーツク海の紋別市に紋別駅ができることもあって改称されたのだろう。
この中ノ沢駅以南は山地が海岸に迫っているが、駅から北は長万部市街まで開けた平野になっており、駅裏は農地が広がっていたようだ。
1965年~66年にかけて複線化工事が完成。
1972年貨物取扱廃止。
1970年代の国土地理院地図の航空写真。
駅前の工場らしき建物から線路方面に細い道が続いているが、専用線があったような資料は見つからず。
1986年無人化、1987年木造駅舎が取り壊され貨車駅に転換。
2023年JRより長万部町に駅廃止の打診、町側も受け入れたと報道。
このつつましい駅に会えるのもあと僅かなのかもしれない。