滝川周遊 ― D51297号機 ―

目次

 

1.D51297号機

お腹を満たして再び行動再開。

国道12号線を越えて空知川緑地近くの文化施設が集中するエリアへ向かう。

まず初めは文化公園の一角で屋外に展示されている蒸気機関車の観賞から。

 

 

 

静態展示されているのはD51の297号機。屋根もあって保存状態は良好。

脇に植えられている白樺の木とのコントラストも、明るい印象を持たせてくれる。

 

正面から。総製造数は2000両近くに及ぶ。国鉄の所属数でも1115両で、電気・ディーゼル機関車を含めても最も多かった。

297号機の製造は戦前の貨物輸送拡大時期。

秋田機関区に始まり、晩年は倶知安や滝川など道内の機関区で従事した。

D51の歴史の中では中期、最も製造数の多いタイプである。

 

初期に製造されたいわゆるナメクジ型とは違って、給水温め器が小さくなっている。

これにより動輪への軸重が改善され、車輪の空転が減少。

勾配のきつい路線にも使用されるようになり製造数の多さに繋がっていった。

地面のタイルにもD51297と刻まれている。

なかなかこだわった保管状態で好ましい。

 

滝川機関区は函館本線根室本線・歌志内線の基地だった。

D50、D51と9600系が配置されていた。

 

北海道と滝川周辺の蒸気機関車関連史が簡潔に記されている。

 

2.附属設備

機関区があった事が理由なのか、車両以外にも蒸気機関車に関連する設備があわせて保存されている。

 

石炭と共に積み込まれている水を給水する設備。

 

給水柱にはバルブ式とレバー式があったらしい。滝川のものはレバー式?

 

標識付き転てつ機。漢字で書くと転轍機。

看板がかなり腐食している。

 

レールを分岐させるための装置の一つ。

ポイントという名の方が有名かもしれない。

 

場内信号機。進入の可否を支持する信号。

 

腕木式とは信号を軸の横につけた腕木で示すタイプ。木と同化して見えなくなってしまった。

 

錘付転轍機。主に側線で利用された。

 

定位(主要線方向に開通している場合)は白とのことなので、写真の状態は定位方向なのだろう。

 

 

3.高畑利宣の碑

蒸気機関車のすぐそばに建てられている石碑。

明治初期、上川地方の調査や国道12号の開通に功績のあった高畑利宜(たかばたけとしよし)。

地理やアイヌの生活などを克明に記録、自他のしたためた事務文書も丁寧に保管し、貴重な文化財とされている。

晩年は滝川市で暮らしたこともあってか、ここに石碑が建てられたようだ。

彼については、この公園にある郷土館でも触れられている。

というわけで次は郷土館を見学することにした。

 

今日のチバユウスケ