日高廃駅巡り ― 西様似駅 ―

目次

 

1.西様似駅

鵜苫駅から再び山すその海岸沿いの道を進む。

 

断崖が海に落ち込み、道路を敷設するスペースもなくなってトンネルで開通。

 

右手に見えるのはローソク岩。

トンネルを抜けると西町の市街に入る。

 

海辺川(うんべがわ)沿いに開けた集落。

 

 

この集落にあったのは西様似駅

国道から左折して北にしばらく進んだところにあった。

 

海の方を見ると様似町名物の親子岩。まもなく左折だ。

 

 

もう一度海辺川を渡って集落の北端に駅があった。

 

 

こちらも貨車駅。鵜苫駅ほどではないが腐食が進んでいる。

 

鵜苫駅同様に様似中学校の美術部によってイラストが描かれた。

虹や白い雲がいっぱいの青空を描いたようだ。

こちらもウィキペディアに2005年のピカピカの姿が載っているので見てほしい。

wikipedia:西様似駅

 

駅からホームまでは少し距離がある。草に埋もれているが、立ち入り禁止の柵があってホームが高くなっているのがわかる。

 

辛うじて線路が見えた。

 

駅前は住宅地。商店などは見当たらない。

 

木材が積まれている。昔の航空写真以外ではなかなか見ることのできない光景。

もちろん、貨物列車で運んでいたのはかなり以前のことだろうが、名残を垣間見ることができた。

 

2.西様似駅と近隣の歴史

様似町のパンフレットによると、1635年頃に海辺川流域で砂金が発見され、集落ができたという。1799年に様似山道が完成。翌年エンルム岬の近くに幕府の会所が設置され、町の中心は会所付近に移っていった。

 

西様似駅が開業したのは1937年。

浦河~様似間開通に伴い、一般駅として開業した。

隣の鵜苫駅からは海岸沿いではなく、冬似川沿いに内陸へ進みトンネルを抜けて西様似駅に到着だ。

この地には国鉄よりも先に三井軌道の森林鉄道が運行していた。

1931年~1945年まで浦河町上杵臼から約30kmを1日6往復の運行だった。

 

 

こちらのホームページに当時の軌道が記されている。

路線跡は道路に転用されたのではないかと思う。

 

地理院地図の1948年の航空写真。

青い丸が西様似駅

黄緑がおそらく三井軌道の木材積卸場所。軌道跡らしき直線が北へ延びている。

 

1970年代の国土地理院地図の航空写真。

 

駅の横には木材がわんさかと積まれている。

この頃は1面2線のホーム構造。

現在駅とホームまでの間に距離があるのはかつて線路が通っていたからだ。

 

1977年貨物取扱廃止。旅客業務は無人化される。

その後交換設備が廃止され、運転要員も無人化。

 

2021年日高本線の一部廃止に伴い廃駅となった。

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