日高廃駅巡り ― かけ橋カード ―

目次

 

1.かけ橋カード

国道236号線をひた走り浦河町から新ひだか町に戻ってくる。

道の駅みついしで最後の寄り道。

温泉旅館が隣接する道の駅。かつては道の駅の売店の2階にレストランがあったが、今はなくなってしまった。

土産物店も別建物になっており、最小限の規模の売店でかけ橋カードをもらう。

 

青いトラスが目立つ翠明橋。山深い場所にあるようだ。

 

橋が架かっているのは浦河町の山間部。

広尾町に通じる天馬街道でニオベツ川を渡る橋。

山奥の深い渓谷にかかる橋ということでメンテナンスも大変だろう。

いずれはドローンとロボットが主となるのかな。

 

翠明橋の袂には湧水のある小さな公園が設置された。

紅葉の名所にもなっているようで、日高山脈雄大な景色を楽しめるそう。

 

 

2.高田屋嘉兵衛の碑

 

道の駅の駐車場に大きな石碑が建っていた。

江戸時代の豪商高田屋嘉兵衛の石碑。

淡路島出身で船乗りから商人となり、箱館(函館)を拠点とする。

国後島択捉島の航路を開き箱館の発展に大きく貢献した。

ロシア軍に拿捕され、カムチャッカに拘留されるが先に起こっていたゴローニン事件解決の交渉に成功し自身も日本へ帰還する。

晩年は故郷徳島藩藩士に取り立てられる。

しかし箱館の高田屋は嘉兵衛の死後に幕府から密貿易の疑いをかけられ、没落してしまった。

 

箱館から国後・択捉への航路開拓は三石場所にも好影響があったらしい。

この日高沿岸部は鉄道が普及するまで函館の商圏で定期船が就航していた。

そんな縁もあってか嘉兵衛の子孫が三井氏に居住していたそうだ。

功績をしのんで三石小学校の前に石碑が建立された。

 

 

 

そこから昭和55年にオープンした三石温泉へ移転。

その温泉も老朽化で平成18年数百メートル離れた現在地に経営も変わって新たに温泉施設がオープン。源泉はそのまま利用しているようだ。

温泉とともに石碑も移転。嘉兵衛の子孫はまだこの地にいるのだろうか。