日高町日高地区 ― 富内線の終着駅 ―

国道237号線を北上していくと、日高町域に入る。

 

平成の大合併にて旧門別町と旧日高町が合併してできた町である。

当初は平取町も含まれていたが、途中で脱退となり、飛び地合併となった。

 

内陸部の旧日高町地区は国道237号国道274号の交差する町である。

札幌、帯広・釧路、旭川、苫小牧と北海道を代表する都市への幹線が合流する地点とあって、長らく交通の要衝としての地位を占めてきた。

特に国道274号を通るドライバーには長い峠道の間にあるオアシスのような地点であり、道の駅もかなり賑わっていたと聞く。

 

しかし、道東道の全面開通によって国道を通る車はかなり減った。さらに、2016年の台風によって日高町と十勝方面を結ぶ日勝峠が不通となってしまう。復旧工事は進められているものの再度開通するのはまだ先のようだ。

 

午後1時頃道の駅を訪れた。土曜日の昼間であるが、雪がちらついている天気もあってか、駅の中は閑散としていた。

幌加内そばのお店で昼食をとる。客はほとんどいなかった。

 

道の駅の近くに旧富内線日高町駅の跡がある。

 

 ここから占冠駅へ連結させてさらにその先の金山駅根室本線と合流する構想があったが、実現には至らず。

国道274号が開通するまで、札幌や苫小牧方向との連絡を担ってきたが、自家用車やトラックの普及、林業などの衰退などによって鉄道の存在意義が問われるようになったこともあり、富内線廃線と共にその役目を終えた。

 

現在は駅の敷地があった場所に記念の石碑が置かれている。

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場所はわかりにくく、文字は薄くなっている。知らないとたどり着けないだろう。

 

富内駅や振内駅と比べると、駅の存在感は大きくなかったのだろうか。

この町にとっては道路の開通の方が大きな出来事であったような気がする。

 

北海道でも特に山深い位置にある町である。

日高山脈の名を冠しており、ある意味では最も日高地方らしい風景の町でもある。