ゆにガーデン ― レストランチャイブ ―

某月某日。

天気はまあまあ。暑くもなく寒くもない散歩日和。

ってことで家族で出かけた先は由仁町にあるゆにガーデン。

 

 

 

2001年(平成13年)にオープン。

現在は東武グループの傘下である。

英国風のガーデンでサクラ、リナリア、ユリ、アジサイ、コスモスなどが季節を彩る。

ハーブも多く、香りを楽しみながら散歩も可能。

 

着いた時刻が昼時なのでとりあえずランチから。

通常はビュッフェだが、コロナの影響でコースとなっている。

人数も制限され、部屋を二つに区切って30分ごとにお客さんを入れる仕組み。

 

本日のメニュー。

パン、ドリンク、スープはセルフでここだけビュッフェスタイル。

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まずは前菜。

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由仁町及び周辺の町は農業が主産業。

 野菜の美味しさを楽しめる洒落た先鋒。

 

同じく前菜だがこちらは温かい料理。

 

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グラスに入っているのは食べられる花と大地。

本物の土ではなくてカリカリのパン粉である。

ちょいとユニークな次鋒。

 

パスタはカルボナーラとペペロンチーノの二択で、ペペをチョイス。

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 ブロッコリーはゴロンと入っているかと思いきや、細かく刻まれた上品な装い。

口に入れるとふんわり柔らかく、だがしっかりとした辛みが広がる。

メリハリの利いた中堅。

 

メインは肉と魚介のダブルセット。

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肉は柔らかくしっとり。

エビと魚は辛さ控えめのチリソース。

ボリュームも結構あって豪華な副将。 

 

 最後はデザート。

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イチゴと何かのムース。

見た目はスイカバーを逆にした感じだがスイカではないと思うのだが何だろう。

嫁ちゃんも何かわからないとのこと。

既にお腹は満たされているのだが、これもまたボリュームがあって、何とか完食。

爽やかな味わいだから良かったが、生クリーム盛りだくさんだとギブアップしていたかもしれない。ナイスファイトでした大将。

 

さてお腹もくちくなったので、いよいよ庭園へ。 

小樽の端っこ周遊 ― 斜路式ケーソン製作ヤード ―

 前回に引き続き、みなとの資料コーナーを見学中。

kamonji224.hatenablog.com

 

 こちらは今いる建物のすぐ横にあったケーソン製作ヤードの写真。

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2台の巨大なクレーンがシンボルだった。 

 

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残念ながら老朽化のため2016年にクレーンは撤去された。

ケーソンの大型化もあって、小樽港で製作できるサイズの需要が無く2005年に製作されたものが最後だったという。

 

 

 

 既に配布終了しているが土木遺産カードについての詳細はこちらから。

www.jsce.or.jp

土木遺産に認定されたのはクレーンではなく斜路式のヤード。

ケーソン完成後、海中に滑り落とすことでコストや作業の難易度を削減できる当時としては画期的な設備。この小樽港で世界で初めて建築されたらしい。

考案したのは南防波堤の建造指揮を取った伊藤長右衛門。

 

彼もまた前回のブログで紹介した廣井勇と同じ運河公園に銅像が建っている。

ちなみに廣井勇の弟子にあたるそうだ。

小樽港発展の礎を築いた師弟である。小林多喜二伊藤整もいいが、こういった人々ももっと知られてもいいのではと思う。

そういう意味では先人カードの意義は大きい・・かもしれない。

 

見学を終えて建物から外へ出る。

駐車場のすぐ横がケーソン製作ヤードだ。

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これだけ見てもいったいなんのこっちゃである。 

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進水の際は斜路を延長して海中まで設置していたそうだ。

海中に沈めたままだと腐食が進んでしまうので、使用時以外は陸に引き上げていたとのこと。

 

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もうこの先に斜路が設置され、ケーソンが海に浮かぶ日は永遠に来ない。

廃鉱となった炭鉱に似た寂しさを感じる。

 

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 ケーソン製作ヤードについての案内板。

単位は函。「はこ」または「かん」と読むのだろうか。函館や銭函など地名にも使われる文字だ。

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ケーソン進水はかなりダイナミックなイベント。

多くの人が集まっているようだ。

 

さて、帰ろうとすると建物の脇に似たような案内板を発見。

せっかくなので覗いてみる。

 

これには北防波堤についての説明が記載されていた。

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特に、建設のポイントとなった斜めに積まれた部分について詳しく述べられている。

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まさかのこんなところにレールが使われるとは。

これはかなりの鉄道マニアでも知らない案件かと思われる。

 

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そして草むらにドシンと置かれたコンクリートブロック。

これが例の斜塊だろう。

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横にあるのは錨? 

 

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船が停泊していた、

右手には南防波堤がずーっと伸びている。

ここにもこの場所で製作されたケーソンが使われている。 

 

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船はひまわり号というらしい。 

こんな船に乗って防波堤を近くから眺めてみたい。

 

 ユーチューブに小樽港でのケーソン製作と進水の動画がアップされていた。

 

土木マニア必見。

今は亡きクレーンの勇姿も見ることが可能。

 

国土地理院地図の2008年の航空写真ではクレーンはまだ健在だ。

 

 

 同じく国土地理院地図の1970年代後半の航空写真。

ケーソン製作ヤードの西側の海は当時貯木場であり、海に浮かぶ虫のようなものは丸太である。

また、小樽築港駅は巨大なヤードを持ち線路がぎっしり敷き詰められている。

Cの字型の車庫や転車台も確認できる。

 

 

とりあえず、今回はこんなところで調査終了。

土木遺産カード、いつか再配布の時を待ってますぜ。

小樽の端っこ周遊 ― 先人カードとみなとの資料コーナー ―

昼飯を食べて、帰路に着く。

国道5号線を東へ向かい、市街地からは臨港線へ。

最後に寄り道するのは小樽港湾事務所の中にあるみなとの資料コーナーだ。

 

 

 

平日のみの開館ということでなかなか行く機会に恵まれなかったが、今回やっと達成。

以前は土木遺産カードを配布していたが、惜しいことに既に配布終了。

その代わり昨年冬から先人カードなるものの配布が始まっており、こちらを入手すること及び内部の見学を目論んでやって来たというわけだ。

駐車場は建物の裏側、逆Uの字型になっている道を通って進むことになる。

 

中に入ってインターホンを推し、カードが欲しい旨及び見学を希望。

職員さんがやってきてまずはカードをもらう。

 

ちなみに先人カードについてはこちらから

www.pref.hokkaido.lg.jp

 

頂いたカードはこちら

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清きエンジニアというのはちょっと意味が不明だが。

 

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高知県に生まれ、札幌農学校で学ぶ。

師は20代半ばにして札幌時計台や豊平橋の設計を行ったホイーラーなど。

国境を越えて活躍するお雇い外国人たちの姿に感銘を受け、後にキリスト教の洗礼も受けている。先ほどの「清き」というのはここから来ているのかな。

 

各地で活躍後、1893年明治26年)から小樽港開港に向けての準備を行う。

冬の日本海の荒波を受ける岩壁を守るため、沖合に防波堤を建設。現在の北防波堤だ。

火山灰を織り交ぜた強固なコンクリートを開発し、さらに一部を斜めに設置することで今もその姿を残す非常に安定した日本初の長大なコンクリート製防波堤を造り上げた。

 

さて、カードを頂いた後、鍵を開けてもらって資料コーナーを見学。

10分程度のDVDがあるがどうしますかと聞かれ、見せていただくことに。

見学が終わったら再びインターホンで教えてくださいと言われ、一人でのんびりと拝見する。

DVDを見ると、上記のコンクリートブロック・防波堤・さらにコンクリートブロックの製造設備の構造がよくわかるので行かれる方は是非見せてもらった方が良いでしょう。

 

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集合写真。すでに工事は終わった後か。

 

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工事の工程写真。

 

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ケーソンとはコンクリート製の大きな箱。

この中に砂を入れてコンクリートの蓋をする。防波堤の基礎部分となるものだ。

 

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このケーソン製作、さらにそのまま海に進水させる設備がこの建物のすぐそばにあるのだが、それはまた後ほど。

 

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工事で活躍した重機など。

 

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コンクリートは強度より密度、だそうだ。

 

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潜水服とその他装備。

朝ドラ「あまちゃん」に出てきた南部もぐりの潜水服とそっくりだ。

 

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コンクリートの耐久性を調べるブリケットという試体。
今もなお試験は続いている。

 

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土木遺産認定プレート。

北防波堤と斜路式ケーソン製作ヤードが認定されている。

 

廣井氏はその後も日本各地の土木工事で活躍。

港湾以外にも仙台の広瀬橋や日光の黒部ダムの建築にも携わる。

当然、指導への報償として金品を渡そうとするも、そんな予算があるなら工事費用に充てていただきたいと一切受け取らなかったという。

彼が亡くなった時、生涯の盟友であった内村鑑三が弔辞を述べた。その中に明治大正の日本は清きエンジニアを持ちましたという一節があり、先人カードのキャッチコピーにも採用されたというわけだ。

 

現在は運河公園に彼の銅像が建てられ、今もなお北防波堤を見守り続けている。

 

 

 

 

北防波堤の土木遺産カードは以前別の配布場所にて入手済み。

この時は凄さがイマイチわかってなかったが、今更になって一部は理解できたような。

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小樽の端っこ周遊 ― ドライブイン丸福 ―

蘭島駅を満喫してそろそろ昼飯の時間。

ちょいと小樽をはみ出して隣町の余市町へ向かう。

道の駅でかけ橋カードをもらおうとも思ったが、この日は月曜日でカードを配布している売店は定休日だった。

 

余市町に入ってすぐの海沿いにあるドライブンイン丸福というお店に入る。

 

 

駐車場に車を停める。

店の裏はすぐ砂浜。

駐車場からも海が見える。

 

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余市町の海岸線は右手の忍路半島と左手のシリバ岬に囲まれた湾になっている。

もう少し雲が少なければいい眺め・・・写真は曲がっちゃったけど

 

さて店に入る。

ドライブインという名の通り、店内は昭和の雰囲気。

席数はかなり多め。昔懐かしゲーム機になっているテーブルまで数台生き残っている。

窓が大きくて海側の席は眺めがよさそう。

メニューも多めで、団体バスなど来そうにないこのご時世によく成り立っていると思うが地元の常連客が多いようで、ということは味も保証されているだろう。

 

頼んだのは日替わり定食。

 

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ご飯に味噌汁、刺身に天ぷらに煮物、そして小鉢が3種類。

 

刺身はイカとマグロ。

近海で水揚げされたものかは不明だが、とりあえず安定第一。

 

天ぷらはエビとアスパラ、あと何だったっけ・・・

天つゆはないので好みの調味料で頂くパターン。

私はソース派。この定食の中では天ぷらがエースかと思われる。

美味しかったです。

 

煮物は揚げ豆腐やギョウザなど変わり種もメンバー入り。

そもそも煮物と言っていいのか不明。

意外に冷たくてちょっと驚いたが味は申し分ない。

特にギョウザはこの布陣だとアクセントになって、常連客を飽きさせないという意味では結構な効果がありそう。

 

メニューにはパスタやカツにカレーなどもある。海産物からちょっと外れたい観光客や混雑している有名店を諦めた家族連れなどはこういう店を押さえておくと、定番の観光から一歩踏み込んだ旅ができるかもしれない。

 

このお店、小学生の頃に祖母といったことがあるような気もするんだが・・・

今度会ったときに聞いてみよう。

 

小樽の端っこ周遊 ― 蘭島駅 ―

塩谷駅から国道に出て海沿いの道を走る。

長いトンネルを抜けて忍路半島の付け根を越えると小樽の西端、蘭島町だ。

国道から左手に入るとすぐに蘭島駅が見える。

 

 

1902年開業の駅。

1980年代から90年代にかけて近隣の海水浴場への旅客が非常に多く、臨時快速らんしまも運行されていた。

国道にあるセブンイレブンは日本一の売り上げを数年間記録するなど、夏季は非常に賑わっていたが近年はレジャーの変容や過疎化などにより穏やかなものである。

 

 

国土地理院地図の1970年代の航空写真。

すでに貨物は廃止となっており、駅舎右手にはかつての荷捌スペースだけが残っているようだ。

現在の航空写真では一部が公園になっているらしい。

 

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蘭島駅舎。

白い駅舎に緑と青のフォントが良く映える。

屋根も爽やかで海のそばの駅らしい装いだ。

 

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跨線橋は塩谷駅とよく似た雰囲気。

歴史を感じる佇まい。

 

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余市方面。

小雨が降っている。

かすんで見える小山はフゴッペ岬。

ここを越えると余市町の住宅街を進んで余市駅に至る。

私事だが、かつて祖父母の家も余市町の線路すぐ傍にあり夜でも列車が通る音が聞こえたものだ。

 

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塩谷方面。

こちらはほぼ山間部を走る。

線路と線路の間が広いのは、かつてその間にも線路が通っていたのだろうか。

 

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跨線橋内部。

白を基調にすっきり爽やかなデザインだ。

 

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ちなみに塩谷駅の跨線橋内部。

似ているようで結構違う。

 

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蘭島駅前の道。

小さな住宅街を抜けるとすぐ国道だ。

晴れていれば僅かに海も見えるだろう。

 

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