1991年初版のやや古い本である。
自分は歴史関係の本が好きであり、どこかの掲示板でこの「物語~の歴史」シリーズを最近知って早速購入してみた。
このアメリカの歴史が一番初めに出たようなのでまず最初に読むことにした。
どちらかというとヨーロッパの方が興味があったのだが、考えてみるとアメリカの歴史というのを年代順に読んだ記憶もないのでちょうどいいかと思ったわけだ。
この本であるが、そんなに堅苦しくなく物語風というかエッセイ風というか読みやすい文体で書かれている。
内容もアメリカ史の入門程度だろう。自分のような歴史好きの初心者にはちょうど良い。物足りなかった人は引用文献が130冊くらい記載されていたのでそちらに手を伸ばしてみるのも良いかも。
構成は
プロローグ
新しい共和国の誕生
国家分裂の危機
アメリカ帝国の出現
大衆消費の実現と大恐慌
アメリカの世紀
平等への闘い
超大国の行方
エピローグ
湾岸戦争に勝利したところで終わっている。
読み終えてみてやはりアメリカでもっとも偉大な政治家は名実ともにリンカーンなのだろう。
当時の世情から奴隷解放を叫び大統領になって、曲がりなりにも奴隷解放を成し遂げたのだから。きちんとした教育を受けていない彼が大統領に当選したこと自体、快挙であったのだろう。
しかし全て上手くはいかないものでリンカーン亡き後、かつての南北戦争の英雄であるグラントが大統領になったが、立派な戦歴とは裏腹に汚職まみれで史上最低の大統領と位置づけされるような有様であった。
黒人の地位向上も一進一退だったようで、そうでなければキング牧師のような人が現れることもなかっただろう。
キング牧師やケネディ兄弟の時代になっても暗殺がまかりとおる国だったのだ。
つい数十年前の話である。立派な人ほど暗殺されてしまうというのが良くも悪くも若い国である証左である気がする。
本書にはいくつもの地名が出てくる。
広大なアメリカの一体どのあたりにあるのか、有名な場所でもよくわかっていなかったりする。
最後に地図をまとめておこうと思う。
ジェームスタウン
イギリス人が植民した初めの町
メイフラワー号到着地
独立宣言採択の地
アラモの砦
メキシコとの戦争時の有名な戦地
リンカーン生誕地
フォード劇場
リンカーン暗殺地
ダラス
ケネディ暗殺地
メンフィス