札幌史跡探訪 ― 琴似駅 ―

目次

  

1.JR琴似駅

桑園駅から西へ進み琴似駅に到着。

 

住所上はJRの線路沿いの鉄工団地通りを挟んで北側が八軒、南が琴似。

駅の住所は琴似2条1丁目だ。

 

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駅のすぐそばに2棟のタワーマンションが聳える高架駅。

西区の中心駅で、2019年度はJR北海道の駅で5番目に利用者数が多い駅となっている。

この辺りはペデストリアンデッキが採用され、冬季間でも外に出ず行き来できるようになった。便利ではあるが、密閉されているとやはり解放感に欠けるため、仙台駅のような華やかな印象はない。

 

駅から南側は通称琴似本通りと呼ばれる道道276号線沿いに繁華街が広がっている。

札幌中心部を除くと規模的には大きめな繁華街だが、やや古さを感じる町並みということもあり、客層は近隣の住民が多いようだ。

駅の利用客も地元住民・通勤客が大半。地下鉄の駅とは数百メートルの距離があるため接続性は低い。

にもかかわらず安定した乗客数を誇っており、このエリアの中心としての地位の高さが伺える。

 

駅前はあまりスペースがなく、写真も撮りにくい。

近隣も少し周ってみたのでまた別の記事で触れることにする。

 

2.琴似駅の歴史

1880年、官営幌内鉄道の簡易停車場(フラグステーション)として開業。

付近の屯田兵村の嘆願書を受けて設置されたものであった。

1年ほどの休止期間を経て1906年官設鉄道に移管。

 

今昔マップを閲覧してみる。

左上、1916年の地図では駅周辺に建物は少なく、桑畑などの樹林・畑地であった。

右上の1935年では琴似駅の北側に工業試験場が設置されている。

その影響か駅周辺に工場が建ち始めた。 

 

この当時は琴似村という独立した自治体。

1942年琴似町となる。

1955年琴似町が札幌市に編入

2006/11の広報さっぽろ西区版によると小松製作所などの工場が林立していたらしい。

 

この頃になると琴似本通りには建物が並ぶようになっており、現在の町並みの原形ができてきたようだ。

 

1960年代後半の国土地理院地図の航空写真。

 

駅の南側に貨物スペースと引込線が複数。

その外側は貯炭場らしい。

 

1978年貨物取扱廃止。

本通り沿いの工場も日本新薬くらいとなっていた。

現在、支店が二十四軒に移転して存続している。

 

1982年高架工事にあわせ木造駅舎が解体、新駅舎となる。

2000年快速列車が当駅に停車開始。

 

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