札幌史跡探訪 ― 種畜場関連施設跡 ―

目次

 

 

1.1マイル馬場跡

引き続き真駒内エリアを北に向かって進んで行く。

次の目的地は上町公園。

 

公園の名は住所が真駒内上町にあることからつけられた。

地名については真駒内入植の礎となった種畜場があった頃より上町と呼ばれているそうだ。種畜場から見て真駒内川の上流にあることが由来かと思うが、正確な情報は不明。

種畜場とは真駒内開拓時に設置された官設の牧場のようなもの。

 

この上町公園に立ち寄った目的はこれ。

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種畜場で飼育されていた馬が運動するための1マイル馬場があった事を示す標識。

 

現在では乗馬や馬術の練習・協議を行う場所を馬場と呼ぶ。

東京の高田馬場という地名は江戸で最も古くかつ大きい馬場があったことが由来。

 

今昔マップを見てみる。

 

 

1916年、35年の地図に見える楕円形の点線で囲われた部分が馬場かと思われる。

このエリアは戦後米軍に接収された。1957年に米軍軍基地から返還され、整備が始まった。真駒内小学校は1961年開校、航空写真を見ると小学校は工事未完成のまま授業が始まっていたらしい。

西側の公園になっているエリアはまだ米軍が利用していた状態のままのようだ。

 

オリンピック後の1975~76年の地図では現在の区割りが完成し、光塩短大や真駒内緑町の五輪団地が建設されている。真駒内小学校は2012年に真駒内曙小学校と統合し真駒内公園小学校が別の地に開校。跡地は2017年から市立札幌みなみの杜高等支援学校に転用されている。

 

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公園は多くの樹木と広場で構成されている。

写真には写っていないが、遊具もそれなりに充実しているようだ。

 

 

 

2.種畜場家畜房跡

続いて真駒内めぐみ公園へ向かった。

 

 

ここにも種畜場の関連施設を記した標識が建てられている。

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この場所にあったのは家畜房。

標識にある札幌農学校に建設されたものは、国の重要文化財及び北海道遺産に認定された札幌農学校第二農場の一部として北大構内に現存。無料で見学することができる。

真駒内の方は残念ながら1901年に焼失。地図を見ても痕跡はない。

 

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現在は住宅街片隅の、程よい広さの公園に生まれ変わっている。

 

3.水車場跡

続いては真駒内曙公園。

 

前回の記事に載せた真駒内用水路が公園の中心を突っ切っている。

 

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縦長の公園で、用水路で東西に分かれている。

南側は遊具などが多く、賑やかなエリア。

北側は樹木が茂り、散歩コースと芝生がメイン。

 

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ここにあったのは水車場。

この真駒内曙地区は種畜場があった場所で真駒内開拓の発祥の地となっている。夜明けを表す曙を地名につけたらしい。

公園の少し西側には真駒内曙小・中学校が並んで立っていたが真駒内曙小は真駒内小と統合。校舎は引き続き利用しているが真駒内公園小学校に改称した。