札幌史跡探訪 ― 東札幌の工業地帯 ―

菊水公園から道道3号線を目指して進む。

地下鉄菊水駅から少し東にある、やよい公園が次の目的地。

 

 

ここに設置されている白石歴しるべは、旧国鉄東札幌駅周辺の工業地帯。

1926年に開業した東札幌駅は定山渓鉄道と北海道鉄道の分岐駅だった。

 

東札幌駅についてはこちら

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市場に近く物流に適した菊水・東札幌地域には工場が集積するようになった。

 

鉄工場、ゴム、木材、乳製品などが主な業種。

 

今昔マップより

1950年前後、駅の北東部は農地で、それ以外は小さな工場が集まっているようだ。

地下足袋、長靴、合羽など日用品に欠かせないゴム工場は豊平から白石に集中。

 

大手鉄鋼の豊平製鋼所は豊平から東札幌にまたがって工場を設置。

鋳物工場も数多く、さらにその周辺に鋳型製造業など関連業種が並んでいた。

 

戦後、経済振興の一環として道は綿羊の飼育を推進。

全国に支店を置くまでになった北日本毛織は4階建ての工員寮が必要になるほどの大きな工場を建設するも化学繊維の普及で1970年代に撤退。

 

明治以降拡大し続ける札幌市外の建物需要で、木材市場は成長を続けた。

東札幌周辺には豊平川上流から定山渓鉄道で運ばれてきた木材の加工・販売も多かった。しかし都市化の進行・札幌市が西区に工場用地造成などを要因として東札幌周辺の工場群は徐々に姿を消し、住宅街となっていった。

 

 

集合住宅に囲まれたやよい公園。