札幌史跡探訪 ― 白石遊郭跡地 ―

白石公園から国道12号線を渡って西へ進む。

菊水地区にやって来て次の目的地である菊水公園に到着。

 

 

ここにも白石歴しるべの説明板が設置されている。

ここにあったのは札幌遊郭(通称白石遊郭

 

明治の初めに薄野に設置された札幌遊郭が、この地に移転してきた。

設置当初は町の端だった薄野明治20年代になると周囲が市街化し、遊郭に適さない環境になってきた。

何度も移転が審議されるが、移転先がなかなか決まらない。その頃当時リンゴ栽培が主であった白石村が、遊郭設置により収入が安定すると判断し誘致することに。

大正6年に移転が決定。翌年から札幌遊郭として営業するようになった。

 

公園の隅にある菊水神社もすすきのから遊郭と共に移転してきた。

祀られているのは五穀豊穣や商売繁盛の御利益があるとされる稲荷神社。

 

公園前の通りは妙に幅が広い。もう少し南西に進むと片側3車線になる。

さして車通りが多いわけでもないこの道路。遊郭時代のメインストリートであった大門通の名残で幅が広いままになっている。

この通りを挟んで両側に遊郭が軒を連ねていたわけだ。

 

 

今昔マップより。

 1916年の地図ではりんご畑だったこのエリア。

1935年では一気に区画割され、建物が並ぶ。

一条橋も架橋された。

 

昭和に入り戦争の長期化と共に遊郭も衰退してゆく。

戦後はアメリカ軍の駐留で一時的に復興するも、1951年以降撤退。さらに法律改正もあって白石遊郭は1958年に完全に姿を消した。