国道275号線ドライブ ― 月形町のダム ―

目次

 

1.花山貯水池

国道275号線を南下し続け、月形町まで戻ってきた。

町内にはいくつかダム・ため池があり、そのうちの花山貯水池を見に行くことにした。

 

国道から少し離れ、月形町北農場という地域にある貯水池。

1913年、造田開発を進める樺戸集治監の囚人たちによって築かれたそう。

堤体を正面から眺める。

芝の敷かれたアースダム。雪解け間もなく、まだ茶色い。

天端へ上る階段は関係者以外立入禁止。残念!

 

下流側は農地が広がっている。

 

奥へ進むと石碑が二つ並んで立っている。

 

北海道知事の書による名標。

 

堤高は10m弱。

日本の河川法でのダムの定義は堤高15m以上が必要の為、厳密にはダムではなく堰堤と呼ばれている。

堤頂は232m。訪問時はわからなかったが堤頂はコの字形になっているようだ。

 

地理院地図を見るとわかりやすいかも

 

ちなみに地図記号では高さ3m、長さ25m以上の構造物はダムとして表されるそう。

長さ75m未満はダム小、それを越えるとダム大の記号として分別され、さらにダム大はコンクリートとそれ以外に分かれている。

花山貯水池はコンクリートではないので黄土色の線で表されている。

 

 

もう一つの石碑を見てみよう。

文字が薄くなって読みにくいが、北農場地区は明治14年1881年)の樺戸集治監の開庁と共に開墾、やがて稲作を始めるようになる。

明治42年(1909年)脱走囚によって非番だった花山看守がこの地で殺害されたことから花山の澤と呼ばれるようになった。

その後灌漑用水としてため池を築造、幾度かの改修を重ねる。昭和57年余水吐修繕工事完了と築造70周年を記念して石碑が建てられた云々が記されていた。

 

最後に洪水吐を見てみる。

さらさらと流れている。

 

2.月形ダムダムカード

続いて町役場へ向かう。

 

ここでもダムカードを配布中。

休日なので正面玄関右手の守衛室でいただく。

 

農業用のアースダム。

 

堤体のタイプは中心コア型

円形多段式ゲートの取水設備を備えている。

円形多段式ゲートとは「ダムの教本」によると紙パックジュースについているストローのように組み合わせた円柱を伸縮することで取水位置を選択できるようになっている構造を示す。

 

グラウトとは岩盤の隙間にセメントと水を混ぜたセメントミルクを注入し、基礎地盤を改良すること。

コンソリデーショングラウトは地表から数m程度の浅いエリアを対象に行う。

 

月形ダムはかつて炭鉱があった結構な山奥にある。

道もあまりよくなく、通行止めも多いようで今回は訪れず。

 

 

皆楽公園は町役場近く。

 

 

かつては樺戸集治監の社交場である階楽亭も建っていた。

1984石狩川河跡湖を利用して現在の皆楽公園が整備される。