苫小牧でサイクリング ― 苫小牧港開発株式会社線 ―

目次

 

1.キラキラ公園

出光カルチャーパークから鉄道と港に挟まれた道を東へ進む。

停泊する船がすぐそばで見えるキラキラ公園。

 

 

すぐそばに船。普段船を見る機会のない自分には楽しい。

 

対岸には石油ターミナル・コンビナートの建物が並んでいる。

 

その他にもトヨタをはじめとする工業施設が並ぶエリアを展望できる。

こちらがわからしか見えない設備もありそうなので、工場ファンは望遠レンズを持って出かけるのが良しだろう。

 

2.苫小牧貨物駅

苫小牧駅~沼ノ端・勇払駅間は貨物の動脈。

ここにあるのが苫小牧貨物駅

 

長さ1.5km。コンテナホームを持ち、紙・自動車部品・食料品・LNGなどの発送を主に行っている。

 

今昔マップより

1960年代に苫小牧操車場が完成。石炭の発着などを盛んに行っていた。

1970年代になると専用線も伸ばされるようになる。

 

ストリートビューで駅舎を眺める。

 

駅南の緑地になっているエリアもかつては専用線が敷き詰められていた。

 

3.苫小牧港開発株式会社線

この路線、かつては苫小牧港開発株式会社線という路線も並行していた。

苫小牧港開発株式会社自体は港湾物流事業や工業用地造成を行う第三セクター

1963年に開港した苫小牧港。付近に進出した企業の原料や製品輸送を目的として1968年開業。

 

起点になっていたのは新苫小牧駅

 

 

南側にあった木工団地への専用線も予定されていたようだが、取りやめになった。

 

 

続いては一本松駅

 

 

駅跡は草地になっている。

 

 

ここは運賃精算用の駅で、駅舎や荷受け設備はなかったらしい。

1970年代の写真。駅南東へ伸びるのは日之出化学工業専用線

駅西側、新苫小牧方面から白い2棟の建物へ伸びているのは芽室農協専用線とのこと。

 

次は港北駅

 

この辺りは室蘭本線と分岐し、日高本線と並行していた。

 

現在は緑地帯の一角にある砂利敷きの更地。

 

 

この駅は1979年開業とあって今昔マップの航空写真にも痕跡がない。

日本製紙勇払工場で生産された紙が当駅で貨車に積み込まれていた。

また、駅西側の北海道曹達への専用線も敷かれていた。

 

次は港南駅。

 

JRの路線からぐっと離れて南東へ方向を変え、現在のトヨタ自動車近隣にあった駅。

 

今はトヨタ自動車の駐車場。

 

 

路線開業から1年後に駅が設置。

やがて近隣の企業進出に伴い専用線も増加していく。

しかし、1980年代には専用線減少。1991年に操業開始したトヨタには専用線が引かれることもなく、最後まで残った苫小牧ケミカル専用線も1994年頃に利用を終了。 

 

最後は石油埠頭駅

 

 

現在は二酸化炭素貯留技術を開発する日本CCSの事務所となっている。

 

 

出光興産をはじめとする各社油槽所への専用線が伸びていた。

この路線で最後まで貨車発着のあった駅である。この駅の貨車取扱終了に合わせ、路線は1998年休止、2001年に廃止となった。

1960年代の航空写真はまだ港が完成する前の状態。

日高本線苫小牧駅からすぐ東で南東に向かい、海岸線を通っていた。

苫小牧港開発株式会社線も一部路線跡を利用している。