目次
1.ラヘマー国立公園
今日は2013年2月22日放送の地球絶景紀行で紹介されたエストニアのラヘマー国立公園について調べてみた。
1971年にソビエト連邦で最初の国立公園に指定された。
首都タリンから東へ70kmに位置する。
海岸・森林・河川・湿原など豊かな自然に恵まれて希少な動物も生息している。
国土の50%が森林で覆われているエストニア。
国立公園の中で自然に囲まれて暮らす人々もいる。
ガイド付きのツアーに参加すると森できのこやベリーを摘んで食べることもできる。
公園内に住むヨーロッパミンクは川や湖のそばに生息。ヨーロッパ域内で最も絶滅が懸念される哺乳類。
ソ連での毛皮狩猟、植生や河川の環境変化、毛皮のためにヨーロッパに持ち込まれ野生化したアメリカミンクなどによって彼らを取り巻く環境は厳しさを増す一方。
アメリカミンクはヨーロッパミンクより体が大きく、同じような環境に生息するためヨーロッパミンクは徐々に追いやられていった。最大の生息地はドナウ川河口付近。
2.ヴィル湿原
国立公園内にあるヴィル湿原はモウセンゴケをはじめとする希少な植物が生息する。
湿原とは淡水によって湿った草原を指す。
泥炭の有無によって二分される。寒冷地では水分が多く空気が不足するために、植物の遺骸が分解されないまま堆積し、濃縮された状態が維持される。
熱帯では気温が高く分解が早く進むため降水量が非常に多い地域を除いて非泥炭地となっている。
泥炭湿原は植物遺骸が泥炭となるため養分の循環が発生しない。年間約1mmほど堆積していく。周囲の水域からカルシウムなどミネラルを含んだ水が流入する「フェン」は養分に富むため植物が大きく成長する。
一方泥炭の堆積が進みドーム状になった「ボッグ」は雨や雪以外に水分の供給がなく、植物の作用によって強い酸性を示す。
湿原の特徴的な生物と言えば苔類や地衣類。
こけは土ではない場所でも生えることができる。湿った場所を好み、雲霧林では木に生えるものもあるし、半分くらい水に浸かった状態で大きな群落を作ることもある。
地衣類は藻類(シアノバクテリアなど)を共生させて自活できるようになった菌類。
見た目は苔類に似ているが構造は全く違う。
共に光合成を行い、背の低い生き物だが地衣類の構造の大部分は菌類でできている。
2種類の生き物が一緒にいるだけとも考えられるが、単独では形成できない特殊な構造が見られ、高度に共生化していると考えられている。