北大探検 ― 像と学舎 ―

目次

 

1.新渡戸稲造

市街地らしからぬ自然の多い北大構内だが、負けずに人工物も見どころ一杯。

まずは新渡戸稲造博士の銅像

 

 

かつて5千円札に肖像が描かれていたのでお馴染みの人も多いだろう。

 

緑がいっぱいの中に銅像が建てられた。

 

知名度に比べて彼の功績は意外に知られていないかもしれない。

札幌農学校を卒業後、東大に再入学。さらにアメリカ、ドイツへと留学し札幌農学校に教授として着任。北海道大学の礎を築き、勤労青年のために遠友夜学校を創設。

国内で多数の教育機関に赴任。台湾では製糖業の発展に尽力。さらには病気療養のため滞在していたアメリカで「武士道」を英文で執筆するなど思想・農学両面で活躍した。

海外でも高名となり、国際連盟設立時に事務次長の一人として任命され7年間勤務した。

多方面で功績のあった新渡戸稲造だがそのルーツは札幌農学校にあったようだ。

 

2.ウィリアム・クラーク

続いては北大、そして開拓に関わる人の中でもっとも有名であろうウィリアム・クラーク博士。

 

 

威厳のある風貌。台座も芸術的な形をしている。

 

とてもとても有名な人物だが、北海道に滞在していたのは僅か9か月。

短い時間でも札幌農学校の理念を確立し、キリスト教と農業技術をベースとして生徒たちに大きく影響を与えた。教え子たちが様々なジャンルで活躍し、明治の日本を支えていく。その精神はクラークの残した開拓魂が生み出したものだろう。

 

3.古河記念講堂

次は白い木造の壁が美しい古河記念講堂。

 

明治時代らしい洋風の洒落た木造建築物だ。

 

 

古河鉱業の寄付で建設されたことが命名の由来。

 

建物全体としてはシンプルなデザインだが、遊び心のある装飾が折々に見られる。

 

ドアの上の窓枠や柱の上部に欧風の装飾。

 

最上部は台形のような形?屋根裏部屋にあたるのだろうか。

 

4.旧昆虫学及養蚕学教室

続いては旧昆虫学及養蚕学教室

 

 

北大構内で最古の建物。

 

工事中であまり近寄れなかった。

緑の屋根で白い壁。こういう駅舎をどこかで見たような・・

日本で最初の昆虫学研究室だったらしい。養蚕や害虫駆除など農業とは密接に関わる学問だよね。

 

5.旧札幌農学校図書館読書室

次は旧札幌農学校図書館読書室

 

 

ここも100年を超す歴史のある建物。

 

扉とその上の装飾が古めかしい印象を与える。

以前は北大の中央図書館だった。

 

建物の奥は構造が異なるレンガ造りの書庫。

 

すぐ傍には昆虫の旧標本室。

 

石造りで耐火性に優れている。

 

6.人工雪誕生の地

人工雪誕生の地碑


雪景色と結晶の美しさに魅了された中谷教授は人工的に結晶を作り、その分類から降ってくる結晶によって上空の気象がわかるダイヤグラムを作成。国際的な評価を受けた。

 

7.吉町太郎一

最後は工学部へ。建物の前には綺麗な庭と噴水があるのだが、木々に囲まれるように胸像が建っている。

 

胸像の位置はここ。

 

 

初代工学部長吉町太郎一氏。

北大の工学部設立に尽力し、教授としても大きく貢献した。

 

噴水の周りは樹々が色鮮やかに並び、憩いの場に。